2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

京都大学学生寄宿舎「吉田寮」をめぐる存廃問題の経緯と今後の行方について(3)、建築家の努力によって吉田寮食堂棟が京都大学最古の建築物であることが明らかになった

今から振り返ってみると、大学側にはどうやら吉田寮の保存計画などまったく眼中になかったようだ。1997年から2001年にかけて発行された『京都大学百年史』全8冊の中で、大学キャンパス内の建築物について触れているのは『総説編』(第8章、京都大…

京都大学学生寄宿舎「吉田寮」をめぐる存廃問題の経緯と今後の行方について(2)、昔の学生気質と今どきの学生ライフスタイルの違い

「舎友会」という吉田寮の同窓会組織がある。1950年代後半から1960年代前半に寮生活を共にした超高齢者集団の集いである。毎年2回、定期的に会合を開く。1月は新年会、6月は寮母さんの追悼会だ。年々少しずつ参加者が減っていくが、それでも毎回20人前後の参…

京都大学学生寄宿舎「吉田寮」をめぐる存廃問題の経緯と今後の行方について(1)、大学当局と寮自治会との間で新しい合意は成立するか

周知の如く、欧米の伝統的大学では寄宿舎がカレッジの中核に位置づけられ、教師と学生が生活を共にするコミュニティ空間として継承されてきた。寄宿舎は、教室、講堂、図書館、実験室などと共に高等教育にとって不可欠な教育施設の一環であり、寄宿舎のない…