2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年の終わりに際して一言、ОTK売却先選定委員会の“イカサマ配点方式”を指摘した12月25日拙ブログは関係各方面の大きな反響を呼んだ、泉北高速鉄道外資(米投資ファンド)売却議案否決の波紋(その5)、ポスト堺市長選の政治分析(21)

今日12月27日は「仕事納め」、役所でいえば「御用納め」の日だ。本来ならば2013年を振り返り、気の利いた言葉で総括したいところだが、波乱に満ちた1年をこんな短いブログで締めくくれるはずがない。おまけに昨12月26日は安倍政権発足1年目に…

ОTK売却の配点評価は“橋下錬金術”の方程式、隠されていた“第3のカラクリ”、泉北高速鉄道外資(米投資ファンド)売却議案否決の波紋(その4)、ポスト堺市長選の政治分析(20)

『大阪府都市開発株式会社売却公募要領』における“第2のカラクリ”は、「本審査項目と配点」だ。審査項目は、「A.経営方針・事業プラン」、「B.鉄道事業の利便性向上」、「C.トラックターミナル等物流事業に関する運営方針」、「(買収)価格」の4項…

OTK売却先優先交渉者選定過程の“カラクリ”、泉北高速鉄道外資(米投資ファンド)売却議案否決の波紋(その3)、ポスト堺市長選の政治分析(19)

大阪府議会にはもっと詳しい資料が提示されているのであろうが、私たち一般市民が(現在のところ)入手できる資料は、大阪府都市整備部交通道路室が2013年11月26日に公表した『大阪府都市開発株式会社(OTK)株式売却の優先交渉権者の選定結果等…

大阪府都市開発株式会社(OTK)売却の優先交渉者選定は“出来レース”だった、泉北高速鉄道外資(米投資ファンド)売却議案否決の波紋(その2)、ポスト堺市長選の政治分析(18)

泉北高速鉄道の米投資ファンド売却議案が否決されたというニュースは瞬く間に関西一円を駆け巡ったが、各紙の関心は維新派議員の造反による「否決」という表側の政治イッシュ―に集中していて、その前段階の優先交渉者の選定結果に注目した記事は皆無に等しか…

「一の丸」(堺市)、「二の丸」(岸和田市)に続いて、“維新本丸”(大阪府・市)も陥落か、泉北高速鉄道外資(米投資ファンド)売却議案否決の波紋(その1)、ポスト堺市長選の政治分析(17)

出張を終え、自宅に戻って大量に溜まった新聞を整理していたら、大阪府議会で泉北高速鉄道売却議案が否決された記事がでかでかと出ているのに驚いた。しかも、朝日・毎日・読売・産経の各紙(大阪本社版、2013年12月17日)がすべて1面トップで扱っているの…

大阪都構想の住民投票にたどり着けない場合、“2014年出直し大阪ダブル選挙”はあるか、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その7)、ポスト堺市長選の政治分析(16)

2011年11月27日の「大阪ダブル選」から2年、各紙は挙って「検証・橋下改革特集」を組み、橋下維新の行方について論じた。そのなかで各紙が特に言及しているのが、大阪都構想を実現するための必須条件である住民投票の困難さだ。読売新聞は全紙を使…

“住民投票の擬人化”とは、偽装市民団体による住民投票作戦のことだった、「維新色をできるだけ排除した任意団体」(大阪の未来を創る会)の組織は可能か、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その6)、ポスト堺市長選の政治分析(15)

住民投票に関する橋下維新の危機意識は並大抵のものではない。内部資料(現状認識)では「敗北すれば大阪維新壊滅」とまで言い切っているぐらいだから、相当切迫した状態だといえるだろう。なぜなら大阪都構想に関する協定書が大阪市議会で果たして議決され…

ファッショ自民党、飼い犬公明党、バラバラ日本維新・みんなの党、特定秘密保護法の強行採決が明らかにした日本政治の断面、(改憲勢力にいかに立ち向かうか、臨時版3)

特定秘密保護法案の強行採決に反対する国会周辺の抗議デモをテレビで見ていて、半世紀前の安保闘争の光景がよみがえった。あの時も国会周辺は万余の抗議デモで包囲され(私もその一員として参加していた)、安保反対のシュプレヒコールが怒涛の如く響いてい…

大阪都構想のカベは“特別区の区割り”の特別の難しさにある、住民投票の前に区割りの是非を問う住民投票が必要だ、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その5)、ポスト堺市長選の政治分析(14)

大阪維新の会の内部資料が「プレゼン作戦」と並んで、もうひとつ重視しているのが住民投票の進め方だ。周知のごとく、大阪都構想を実現するには2つの高いハードルがある。ひとつは大阪府・市両議会で住民投票の実施に関する議決を得ること、もうひとつは住…

“夢=詐欺広告”では大阪市民を騙せない、橋下維新の大阪都構想プレゼン作戦は100パーセント失敗する、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その4)、ポスト堺市長選の政治分析(13)

ここまで書いてくるともう読者の方も気付かれていると思うが、大阪維新の内部資料を貫くキーワードは結局“夢”なのである。堺市長選では「百害あって一利なし」という大阪都構想の実態を暴露されて「現実」を語れなくなり、このままでは住民投票に敗れて維新…

“アメとムチ作戦”(恐怖アピールと夢の組み合わせ)による橋下維新の大阪都構想広報戦略は成功しない、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その3)、ポスト堺市長選の政治分析(12)

友人のマーケティング研究者に聞いた話によると、広告業界には「フィア・アピール」(Fear appeal:恐怖アピール)という広告テクニックがあるのだそうだ。一言でいえば、広告の読み手に「恐怖」や「不安」を与え、どうすればその恐怖を取り除くことができる…

大阪都構想推進本部の政策チームは“広告会社”だった、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その2)、ポスト堺市長選の政治分析(11)

大阪維新の会内部資料の「現状認識」にはこの他まだまだ続きがある。それは「市民の政治的欲求の変化」と「住民投票の困難性」という項目だ。前者は、民主党政権から安倍政権へ移行したことで政権が安定し、市民の危機意識がなくなって維新への期待が薄れて…

“権力への挑戦者”から“権力者”への変貌、大阪維新の会内部資料が暴露した橋下維新の実体(その1)、ポスト堺市長選の政治分析(10)

今日2013年11月27日は、橋下維新が大阪ダブル選挙で圧勝してからちょうど2年目に当たる。私は、2010年4月から2012年8月までの期間を橋下維新の「急上昇期」(第2期)と分類している。「急上昇期」は、2010年4月の地域政党「大阪維…

「またも負けたか橋下維新!」、岸和田市長選敗北で“維新敗北ドミノ”がはじまった、ポスト堺市長選の政治分析(9)

2年前の2011年11月27日のことを思い出してほしい。橋下維新が大阪市長と大阪府知事のダブル選挙で圧勝した日だ。この日を境に大阪の政治風景は一変した。大阪府では維新が知事と府議会を制し、大阪市では市長と市議会第1党を確保することで、維新…

「京都96条の会」が発足した、廣渡清吾氏(日本学術会議前会長)の記念講演が素晴らしかった、(改憲勢力にいかに立ち向かうか、臨時版2)

2013年11月16日午後、龍谷大学で開かれた「京都96条の会」の発会記念シンポジウムは、8月6日の「立ち上がりシンポジウム」に比べて参加者が若干少なく(80人余り)、静かな雰囲気の滑り出しとなった。前回のシンポは、結成前の準備段階という…

11月16日(土)13時30分から、京都の龍谷大学深草キャンパスで「京都96条の会」の発足記念シンポジウムが開催され、廣渡清吾専修大学教授(日本学術会議前会長、元東大社会科学研究所長)の記念講演がある、(改憲勢力にいかに立ち向かうか、臨時版)

突然のお知らせで恐縮だが、明日11月16日の午後1時半から龍谷大学深草キャンパスで「京都96条の会」の発足記念シンポが開催される。基調講演は日本学術会議前会長の廣渡清吾氏、タイトルは「約束と希望としての日本国憲法――安倍政権の反動的憲法政策…

開発主義の誤りを新自由主義で拡大しようとする橋下大阪市政、いま大阪市で起っていることは堺市の“対岸の火事”ではない、ポスト堺市長選の政治分析(8)、『リベラル21』の再録(その9)

神戸市長選に関するコメント諸氏との“ウェブ討論”はこれぐらいにして、話をふたたび堺市長選に戻そう。今回の堺市長選は二重の意味で戦後史に残る首長選挙だった。第1は、いうまでもなく堺市民および堺市政が戦後高度成長時代の「負の遺産」を総決算し、2…

今回の神戸市長選は“党派選挙”ではなくて“市民選挙”だった、選挙結果を率直に認めることが革新勢力の再生につながる、神戸の旧革新勢力は市民に愛想を尽かされた(その4)、ポスト堺市長選の政治分析(7)

今回もまた、多くの方から長文のコメントを寄せていただいた。神戸の市民力の高さを示すもので、拙ブログに対する反論から学ぶべき点は余りにも多い。おそらくこの“ウェブ討論”を読んだ方々は、私の論点設定の仕方や議論の重点の置き方などについていろんな…

革新勢力の選挙総括における必要な視点は、仲間内での“内輪の論理”ではなく、それがどれだけ有権者に受け入れられたかという“開かれた論理”の検証なのだ、神戸の旧革新勢力は市民に愛想を尽かされた(3)、ポスト堺市長選の政治分析(6)

拙ブログに対して、読者諸氏より貴重なコメントを(重ねて)よせていただいたことにまず感謝したい。私は何種類かのメーリングリストに参加しているが、時折(というよりはしばしば)激しい論争が起ることがある。冷静で客観的な論争ならまだしも、論争がエ…

“木を見て森を見ない”神戸市長選の総括は不毛だ、神戸の旧革新勢力は市民に愛想を尽かされた(2)、ポスト堺市長選の政治分析(5)

前回の拙ブログに対して幾つかのコメントが寄せられた。なかには「今回の共産党の行動は最善のもの」とする意見もあって、最後は「冷静な議論を望む」と結ばれていた。堺市長選に熱中して神戸市長選に参加しなかった私は選挙総括に参加する条件が乏しく、「…

“21世紀・時代最先端”の堺市長選挙、“20世紀・過去の遺物”の神戸市長選挙、神戸の旧革新勢力は市民に愛想を尽かされた、ポスト堺市長選の政治分析(4)

神戸市長選が2013年10月27日に投開票され、60有余年1日が如く(例によって)副市長の役人がオール与党の支援を受けて当選した。私は1960年代後半から半世紀近くにわたって神戸のまちづくりや住宅政策に関わってきたので神戸市の内情に比較的…

“橋下人事に赤信号”、維新・大阪市議会議長辞職表明、市教委セクハラ前校長に退職要求、大阪市職員公募制見直し、ポスト堺市長選の政治分析(3)、『リベラル21』の再録(その8)

戦国時代の武将・武田信玄の戦略・戦術を記した軍学書(甲陽軍鑑)のなかに「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇(あだ)は敵なり」という有名な言葉がある。堅固な城を築かなかったにもかかわらず、戦国最強の軍団を育て上げたこの名将の格言は、勝…

堺市長選で橋下代表が「大阪都構想」の設計図を語れなかった背景には、府市統合法定協議会における都構想経済効果についての激しい攻防があった、ポスト堺市長選の政治分析(2)、『リベラル21』の再録(その7)

堺市長選の最中に「選挙戦の勝利を誰よりも願っているのは大阪市職員だ」と書いたことがある。事実その通りで、大阪市職員たちは自分たちの市長選のように労働組合の活動家から幹部職員に至るまで(公然、非公然を問わず)堺市長選の勝利のために奮闘したの…

堺市長選の勝利はいかに橋下維新に打撃を与えたか、“ポスト堺市長選”の政治分析、『リベラル21』の再録(その6)

「堺市長選の分析」シリーズの最終回から10日経った。この間、多くの堺市民の方からメールや電話でいろんなご意見や反応をいただいた。大きく分けるとその反応は3つになる。第1は、市長選後の堺市のまちづくりについて勉強会や意見交換会を企画するので…

堺市長選の勝利はいかに橋下維新に打撃を与えたか、“ポスト堺市長選”の政治分析、『リベラル21』の再録(その6)

「堺市長選の分析」シリーズの最終回から10日経った。この間、多くの堺市民の方からメールや電話でいろんなご意見や反応をいただいた。大きく分けるとその反応は3つになる。第1は、市長選後の堺市のまちづくりについて勉強会や意見交換会を企画するので…

堺市長選の勝利は、橋下維新の消滅に至る「マイルストーン」となり、“2015年大阪ダブル選挙”はその終着点になるだろう、堺市長選の分析(その33、最終回)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(63)

今年の8月中旬から書き始めた堺市長選に関する私のブログは、関連する『リベラル21』(在東京ジャーナリスト集団の同人ブログ)の再録が5回、9月になってから連載し始めた「堺市長選分析シリーズ」が33回、今日で合わせて38回を数えた。通常は週1…

都市再生まちづくりにおける“中間層”の位置と役割、地元保守(旧中間層)および転入族(新中間層)と革新勢力の連携が必要だ、堺市長選の分析(その32)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(62)

かって都市成長時代の都市計画をめぐっては“保革対決”が主流だった。臨海工業地帯の埋め立て事業や高速道路の建設計画をめぐっては、「開発利益vs環境保全」の根本矛盾をめぐって保守と革新が激しく衝突した。開発利益を至上目的とする「開発保守=自民」と…

泉北ニュータウンの再生にためには、住民の“まちづくりマインド”を育てることが先決だ、そのためには“まちづくりコーディネーター”の発掘と養成から始めよう、堺市長選の分析(その31)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(61)

泉北ニュータウンの再生が容易でないことは誰もがわかっている。これまで出てきたアイデアは、せいぜい空き家対策をどうするかといったレベルのものでしかなく、そんな程度のことを寄ってたかって議論しても多寡が知れている。問題は、中長期的に考えたとき…

泉北ニュータウン再生のカギは、単機能の「住宅都市=ベッドタウン」を職・住・遊・学が有機的に結合する“モザイク都市(化)”にすることにある、堺市長選の分析(その30)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(60)

いまから半世紀前、高度成長時代の絶頂期(1960年代)に泉北ニュータウンは開発された。そのとき大阪府企業局の依頼でそのマスタープランづくりに携わったのが、京都大学建築学教室の西山研究室である。当時、西山研究室では千里ニュータウンの追跡調査…

「本市発展の中心的役割を担う」のは、都心建設ではなくて“魅力あるまち・市街地の形成”にある、堺市長選の分析(その29)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(59)

いま世界の現代都市計画の趨勢は、“魅力あるまち・市街地の形成”に向かっている。インフラ整備だけの都市計画で出来上がったまちは、文字通り「骨格だけの都市」でしかない。神戸新長田駅前のような「計画的ゴーストタウン」が「残骸のまち」と言った様相を…