2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「東北復興」・「福島再生」がいつの間にか「地方創生」に摺りかえられようとしている、「地方創生」キャンペーンの意図と役割を分析する(その3)

このところ東日本大震災関連の「暗いニュース」は少しずつ脇に追いやられ、東京オリンピック関連の「明るいニュース」が次第に比重を増してきているような気がする。これはひとりマスメディアの編集方針の所為というよりは、一方ではニュースの受け手である…

「東京一極集中に歯止めをかける」といいながら、東日本大震災の被災地を見捨てて、なぜ「東京オリンピック」開催に血道を上げるのか、「地方創生」キャンペーンの意図と役割を分析する(その2)

9月29日から臨時国会が開会される。安倍首相は集団的自衛権関連の法案提出を一切避けて、「地方創生」と「女性の活躍」を二枚看板にして国会論戦に臨む構えだそうだ(毎日新聞、2014年9月24日)。しかも念の入ったことに臨時国会を「地方創生国会」などと…

「人口急減社会=地方消滅」プロパガンダの次は「地方創生」キャンペーンだ、なぜ「地方再生」ではなくて「地方創生」なのか、その政策意図と役割を分析する(その1)

日本創生会議による「人口急減社会=地方消滅」プロバガンダの口火が切られて以降、政府各省庁から堰を切ったように同種の提言や政策が打ち出された。 (1)5月8日、日本創生会議が『ストップ・人口急減社会』を発表。 (2)5月13日、政府の経済財政…

グローバル企業の経営リストラ戦略・「選択と集中=地域切捨ての論理」を自治体に適用することはできない、大飯原発差止め訴訟福井地裁判決は「人格権=住み続ける権利」を憲法上の最高価値として「選択と集中」を否定した、日本創生会議の「人口急減社会=地方消滅論」を批判する(その5)

「選択と集中」という言葉は、もともと地域開発(再生)や自治体行政上の概念ではなく、グローバル企業の経営戦略として生み出されたリストラ方策であることに注意しなければならない。アメリカの多国籍企業、ゼネラル・エレクトリックのCEОジャック・ウェ…

「地方元気戦略」の「地方」とは地方拠点都市のことだ、地方拠点都市に投資を集中することは周辺自治体を疲弊させる、1点集中型の「地方元気戦略」は機能しない、日本創生会議の「人口急減社会=地方消滅論」を批判する(その4)

日本創生会議の目標の第2は、「地方から大都市へ若者が流出する『人の流れ』を変え、『東京一極集中』に歯止めをかける」ことだ。このためには「地方を立て直し、『選択と集中』の考えの下、『若者に魅力ある地域拠点都市』に投資と施策を集中する」という…

非正規労働者を激増させ、若者を結婚できない状態に追い込み、子どもの貧困を野放しにしながら、「ストップ少子化戦略」を謳う究極の矛盾、日本創生会議の「人口急減社会=地方消滅論」を批判する(その3)

次に提言の内容を見よう。まず提言の第1目標は「国民の『希望出生率』を実現する」ことであり、そのために第1段階として2025〜30年に生涯子ども数1.8人を実現し、次に第2段階として2035〜50年に人口置き換え水準の2.1人を達成することに…

日本創生会議の人口推計方法は果たして妥当なのか、人口統計を意図的に操作すると「大うそ」になる、日本創生会議の「人口急減社会=地方消滅論」を批判する(その2)

民間の日本創生会議(座長・増田寛也元総務相)が発表した『提言、ストップ・人口急減社会』(中央公論2014年6月号、以下「増田提言」という)が猛威を振っている。全国1800市区町村(政令市の行政区を含む)の約半数に当たる896自治体で、子どもを産…

安倍政権の「地方創生」キャンペーンは、日本創生会議の「人口減少・自治体消滅」プロパンダと連動している、日本創生会議の「人口急減社会=地方消滅論」を批判する(その1)

前回のブログから暫く時間が経過した。お盆休みに始めた本や資料の整理に手間取って収拾がつかなくなり、その後始末に追われていたからだ。でもなんとか格好がついて、家中に本が散乱するカオス状態だけは避けることができた。これからは平常心を取り戻して…

沖縄知事選を目前にして苦境に陥った自公連立政権、安倍首相は内外の批判をどう乗り切るか、公明党はまたもや迷走するのか、維新と野党再編の行方をめぐって(その39)

8月30日夜、京都で小さな会合があり、沖縄知事選をめぐる現地の生々しい情勢報告を聞いた。何よりも目を引いたのは、その場で見た「辺野古中止80%、移設強行、反発広がる」という特大見出しを付けた琉球新報(2014年8月26日)の現物だった。琉球新報は…