2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

原発周辺地域の土地を強権的に収用し、住民を強制移住させる民主党案が練られていた、福島原発周辺地域・自治体の行方をめぐって(その3)、震災1周年の東北地方を訪ねて(74)

だが伊藤発言には、実は「隠された意図」があった。それは「福島第一原発基地は廃炉となり、新しく植林された平林地のなかに取り残される。このようなこれまで全く想像できなかった地域の光景がこれから生まれてくるのであろう」という一節のなかに隠されて…

伊藤滋氏(東大名誉教授・国土計画協会会長)発言の“ホンネ”、福島原発周辺地域・自治体の行方をめぐって(その2)、震災1周年の東北地方を訪ねて(73)

伊藤滋氏(東大名誉教授、都市工学)が、原発事故直後に国土計画協会の機関誌、『人と国土21』(第37巻第1号、2011年5月15日発行)で語った巻頭言を抜粋して紹介しよう。「地域と国土計画的観点から原子力災害を考える」と題するこの巻頭言は、「原子力ム…

福島原発災害の復興問題・復興課題にどうアプローチするか、福島原発周辺地域・自治体の行方をめぐって(その1)、震災1周年の東北地方を訪ねて(72)

2012年3月末に東北3県を訪ねて以来、もう7カ月も経った。ブログの「震災1周年」の看板に偽りがあるといけないので、8月末に福島県に補足調査に出かけたのだが、それから2か月が過ぎている。福島原発災害の復興問題・復興課題をどう論じるかをめぐってなかな…

自助と共助にもとづく「震災ユートピア」と「震災ヒューマニズム」だけでは、被災地・被災者を取り巻く「リアリズムの世界」に迫れない、いまこそ本物の「復興まちづくり」が必要なのだ、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編20)、震災1周年の東北地方を訪ねて(71)

雄勝出身者氏には、これまで私の日記に度々コメントを寄せていただきながら、何ら言及してこなかったことを最初にお詫びしなければならない。しかし今回は、雄勝地区住民の気持ちを率直にあらわすものとして受け取ることが出来た。いや、受け止めなければい…

震災の廃墟は観光資源にならない、「震災廃墟=震災遺産」ではない、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編19)、震災1周年の東北地方を訪ねて(70)

今回は「来年3月までには全て取り壊しが決まっていますが、被災した旧雄勝総合支所・雄勝病院・公民館・雄勝小学校・雄勝中学校を震災遺産として残して、石巻市の有形文化財に登録して、最終的には世界遺産までもっていけましたら、年間50万〜10万人世界各…

アーキエイドの活動資金はどこから提供されているのか、石巻市2012年度当初予算から、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編18)、震災1周年の東北地方を訪ねて(69)

10月9日から10日にかけて、私の拙いブログに対して4人もの方々(「ひとこと」・「蘇れ石巻」・「部外者」・「雄勝出身者」の各氏)から貴重なコメントをいただいた。私の日記は毎日平均して200件前後のアクセスがあるが、コメントをいただける方はごく僅かな…

いまからでも決して遅くない、「雄勝中心部計画=ゴーストタウン計画」を破棄して抜本的に復興計画を見直すべきだ、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編17)、(震災1周年の東北地方を訪ねて、その68)

この「番外編」を閉じるにあたって、いま一度、松舘忠樹氏(元NHK社会部記者)の『震災日誌in仙台』(8月19日)を引用したい。8月19日当日の雄勝未来会議の様子を伝えた氏の日記には、前半はあくまでも高台移転計画を強行しようとする雄勝支所の方針に抗…

経営計画の裏付けのない「雄勝中心部計画」は単なるデザイン・スケッチにすぎない、経営主体もわからない「津波避難モール」計画は“砂上の楼閣“なのだ、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編16)、(震災1周年の東北地方を訪ねて、その67)

雄勝中心部における跡地開発計画の中核施設は、津波浸水地域に計画された「スポーツ公園」(サッカー場、テニスコート、野球場など)、雄勝湾の景観を活かした「親水公園」、そして「津波避難モール」という名の「海の駅」を含む複合商業施設である。公園施…

アーキエイドの雄勝中心部復興計画は“空想計画”の域を出ない、復興まちづくりにとっての建築デザイン的発想は「百害あって一利なし」だ、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編15)、(震災1周年の東北地方を訪ねて、その66)

津波浸水地域として「災害危険区域」に指定され、住宅再建が禁止される予定の雄勝地区中心部は、震災以前は618世帯1668人の住民が暮らしていた。石巻市に合併されるまでは旧雄勝町の中心地区であり、役場、学校、郵便局、病院、伝統産業会館、商店街などが集…

高台移転事業が完成する頃、雄勝地区は本格的な“ゴーストタウン”への道を歩み始めるだろう、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編14)、(震災1周年の東北地方を訪ねて、その65)

第2回目、雄勝支所による「高台移転意向調査」(調査世帯数1211、有効回収世帯数758、回収率62.6%)は、3カ月後の2011年10月に行われた。この調査はすでに「番外編6」でも書いたように、前文で「石巻市では津波で浸水した区域以外の安全な土地に住宅団地を…

7割以上の被災者が戻らない(戻れない)雄勝地区高台移転計画は「震災復興計画」とはいえない、事実上の“被災者追い出し計画”だ、平成大合併がもたらした石巻市の悲劇(番外編13)、(震災1周年の東北地方を訪ねて、その64)

前回の掲載日は9月15日だったので、もう半月余りも日記を書いていない勘定になる。書く材料がなくなったわけでもないし、日々無為に過ごしていたわけでもない。この間、大阪で「おおさか社会フォーラム」、大宮で「地方自治全国研究集会」という2つの大きな…