2015-01-01から1年間の記事一覧
それでは橋下引退後の大阪市政は今後どう展開するのであろうか。橋下氏の市長引退に際しては各紙から様々な評価が寄せられているが、共通するのは「破壊のエクスタシー」とも称される橋下氏の敵対勢力への激しい攻撃性だ。例えば、読売新聞は次のように解説…
2015年11月19日夜、安倍首相は大阪市長を18日に退任したばかりの橋下氏と都内のホテルで食事を共にしながら約3時間半会談した。名目は橋下氏の「慰労会」とのことだが、菅官房長官とおおさか維新代表の松井知事が同席したところを見ると、6月1…
2015年5月17日に行われた都構想住民投票で維新は1万票の差で敗北し、橋下氏は12月の市長任期満了での政界引退を表明した。17日夜の記者会見は声涙共に下る演出となったが、本心はどうあれ橋下氏の態度は1カ月もたたないうちに豹変する。6月14…
「政治は一寸先が闇」とよく言われるが、これは政治情勢の変化が激しいということばかりでなく、政治的謀略で「明日は何が起こるかわからない」ことを意味するようだ。この言葉を絵に描いたような事態が、首相官邸⇒創価学会本部⇒公明党大阪府本部のルートで…
2012年12月総選挙での日本維新の躍進によって、改憲勢力である自公維3党の議席数は改憲発議に必要な3分の2をはるかに超え、残るは2013年夏の参院選で衆院と同じく3分の2議席を獲得することが自民党の至上命題になった。政権復帰した安倍首相…
橋下大阪市長が任期満了で引退する12月18日前後の3日間、私は東京への出張で関西を留守にしていた。大手紙を含めて東京各紙は橋下氏の引退を一応伝えたものの、その取扱いはさりげないもので特に目新しい点はなかった。折しも消費税10%値上げ時の軽…
おおさか維新の会は12月12日、大阪市で臨時党大会を開き、18日で大阪市長の任期が終わる橋下代表の引退を了承し、後任に松井幹事長(府知事)を選出した。橋下氏は党の「法律政策顧問」として政策立案に関わる方針だという。松井氏は大会後の記者会見…
反維新陣営がダブル選に完敗して以来、ろくさまに選挙総括をしないまま(できないまま)大阪自民の混乱が続いている。というよりは、大阪維新への対決姿勢が薄れ、これまで否定してきた重要案件への態度が変わり始めたのだ。12月8日の読売、9日の朝日・…
前々回の拙ブログでこんなことを書いた。 ――自民党大阪府連を取り巻く環境はこれから一段と厳しくなるだろう。ダブル選の勝利で大阪維新に世論が傾いたいま、橋下氏らの公明党を巻き込む多数派工作が間もなく実行に移されるだろう。橋下氏は11月26日の記…
来年夏の参院選に向けて「おおさか維新」を野党分断カードに起用する安倍戦略が着々と進行している。首相官邸が中山泰秀・自民府連会長を「トロイの木馬」に仕立て、「オール大阪」を破壊したのは一にも二にもそのためだった。維新のダブル選圧勝が参院選に…
大阪ダブル選の翌々日、11月24日の読売新聞は「エース降板 党の行方は」という興味深い記事を掲載している。「自民 柳本氏で大敗 人材喪失」というわけだ。それを象徴する光景が描写されている。 ――大阪維新の会が圧勝したダブル選から一夜明けた23日…
大阪ダブル選投開票日から4日、漸く全体の選挙構図が見えてきた。すぐにもブログを書くつもりだったが、毎月寄稿している京都の月刊誌、『ねっとわーく京都』(2016年1月号、12月3日頃発売)の原稿締め切り日が重なったこともあり、今日までなかなか手がつ…
11月22日に迫った大阪ダブル選投開票日を前に、マスメディア各紙が16日朝刊で14日から15日にかけて行った大阪府民を対象とする世論調査結果を一斉に発表した。それによると、知事選、市長選ともに大阪維新候補が自民党推薦候補をリードしており、…
私が聞いたなんば高島屋前の谷垣自民党幹事長の応援演説はそれなりに「まっとう」なものだった。「大阪都構想は5月の住民投票でもう終わった。憎しみと対立はもうやめにしよう。大阪は(都構想で)大阪市を廃止するのでなく、他都市と連携して目標を決め、…
大阪ダブル選がいよいよ終盤戦に差し掛かかった11月14日(土)午後、大阪市内で行われている維新・反維新両陣営の選挙演説を聞きに行った。ひとつは柳本・栗原両候補の応援に来た谷垣自民党幹事長らのなんば高島屋前の自民党街頭演説、もうひとつは心斎…
前回ブログで、「知事選告示翌日の各紙が伝えるように、選挙前は最大争点と目されていた『大阪都構想』が前面に出てこなかった」と書いた。毎日新聞11月6日の記事によれば、松井氏は大阪市南部や地元の八尾市で街頭演説をしたが最優先の政策としてきた都…
今回の大阪ダブル選を取り巻く情勢と政治構図はきわめて複雑だ。何しろ国政では与野党として対立しているはずの自民と民主・共産が「反大阪維新」で事実上手を組み、自民とは与党関係にある公明が「どちらにもつかない」立場を表明しているからだ。その一方…
橋下大阪市長らが10月31日、新党「おおさか維新の会」の結党大会を開いた。大会には衆参18人の国会議員、19都府県からの地方議員ら約240名が出席し、橋下氏は「『おおさか』は改革の象徴。東京中心だった政治を変え、地方からしっかり改革を進め…
「ダブルスタンダード選挙」(二枚舌選挙)は公明党の特許とばかり思っていたら、そうではなかった。ここ大阪ダブル選では公明党に劣らず、自民党も「ダブルスタンダード選挙」なのだ。その「二枚舌構図」が大阪府民を惑わせ、自民支持層の分裂を招いている…
10月19日発表の読売世論調査に引き続き、26日に毎日新聞(共同通信等との共同調査)、27日には朝日新聞の世論調査が発表された。ほぼ1週間を挟んでの大阪府民世論調査なので、選挙戦直前の大阪府民の政治意識をだいたい把握することができる。私が…
10月19日付の読売新聞をみて驚いた。10月16日から18日にかけて行われた大阪府内の有権者を対象とする同社の世論調査で、「大阪都構想に賛成」「大阪維新の会が都構想実現を(再び)目指す方針を理解できる」が相対的多数を占め(大阪市内では拮抗…
11月22日の「大阪ダブル選挙」が迫ってきた。府知事選、大阪市長選とも維新vs反維新の2極対立の構図は固まりつつあるが、一方の維新側は内紛が続いて事前運動もままならないようだ。昨日、今日のニュースでは、政党交付金の「分け前」をめぐって大阪系…
過日、「リベラル21」(東京のジャーナリストの同人ブログ)に、「『1億総活躍社会』は意味不明のスローガンではない、ファッショ的国民総動員を目論む安倍改憲内閣の政治目標なのだ」という拙文を書いた。10月7日発足した安倍第3時改造内閣のなかで…
安倍第3次改造内閣は無事離陸できるだろうか、散々だった「1億総活躍社会」「新3本の矢」記者会見に続いて、TPP大筋合意の内容が間もなく明らかになる、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(4)
安倍首相は今日10月7日、内閣改造と自民党役員人事を行う。すでに全19閣僚のうち菅官房長官、麻生財務相、岸田外相、中谷防衛相ら約半数の9人の続投が決まっており、自民党役員では、谷垣幹事長ら党四役と高村副総裁がそのまま再任されるのだという。…
先週末の2、3日間、東京で行われた災害復興学会に参加していろんな報告を聞いた。災害復興学会は阪神・淡路大震災後に結成された新しい学会だ。土木学会や建築学会のような工学系一色の学会ではなく、文系・理系の研究者を問わず、またNPО関係者やジャー…
安保法案「成立」直後の9月19〜20日、新聞各社の世論調査が一斉に行われた。ここでは(1)「安保法の賛否」(安保法成立の是非)、(2)「安保法に関する政府・与党の説明」、(3)「内閣支持率」の3点に絞って各社の調査結果を見よう。それによる…
国民世論の圧倒的反対を押し切って、政府・自公与党は2015年9月19日未明、衆院に引き続き参院本会議においても安保法案(戦争法案)の採決を強行した。国是である憲法を1内閣の閣議決定で勝手に解釈改憲し、安保法案審議では問答無用の強行採決を繰…
安保法案審議が参院で最終盤に差し掛かった9月10日、自民・公明両党による与党税制協議会が開かれ、財務省から消費税10%時の負担緩和策としてマイナンバーカード利用を前提とする2%還付案すなわち「日本型軽減税率制度」が突如示された。今回の財務…
安保法案の参院審議が終盤に近づくにつれて、安保法案反対のデモが国中に広がっている。国会審議を通して安倍首相や関係閣僚の「ハチャメチャ答弁」の矛盾が赤裸々に暴露され、「こんな無茶な法案を通すわけには行かない」との国民感情が日増しに高まってい…
如何なる国民世論にも耳を傾けず、如何なる国会審議にもまともに答えず、ただ議会多数の「数の力」だけでひたすら安保法案の成立を目指す安倍内閣とはいったい如何なる政権なのか。また選挙で当選さえすれば、如何なる政策の失敗も反省せず、議会での審議を…