2015-01-01から1年間の記事一覧

「橋下対決型市政」から「吉村対話型市政」への転換は本物か、協調型手法で公明・自民を取り込む「維新翼賛体制」の可能性も否定できない、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(最終回)

それでは橋下引退後の大阪市政は今後どう展開するのであろうか。橋下氏の市長引退に際しては各紙から様々な評価が寄せられているが、共通するのは「破壊のエクスタシー」とも称される橋下氏の敵対勢力への激しい攻撃性だ。例えば、読売新聞は次のように解説…

大阪ダブル選で自民推薦候補と戦ったはずの橋下市長の退任を慰労する首相官邸の異様さ、来夏の衆参同時選挙も視野に入れた改憲勢力の総結集が始まった、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(その5)

2015年11月19日夜、安倍首相は大阪市長を18日に退任したばかりの橋下氏と都内のホテルで食事を共にしながら約3時間半会談した。名目は橋下氏の「慰労会」とのことだが、菅官房長官とおおさか維新代表の松井知事が同席したところを見ると、6月1…

「大阪都構想」住民投票で敗れた橋下氏を救ったのは首相官邸だった、大阪ダブル選を支援したのも首相官邸だった、住民投票後の安倍・菅・橋下・松井4氏による「公然たる密談」で橋下氏を復活させる作戦が練られた、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(その4)

2015年5月17日に行われた都構想住民投票で維新は1万票の差で敗北し、橋下氏は12月の市長任期満了での政界引退を表明した。17日夜の記者会見は声涙共に下る演出となったが、本心はどうあれ橋下氏の態度は1カ月もたたないうちに豹変する。6月14…

「大阪都構想」住民投票を謀略的に復活させた瞬間から、橋下維新は首相官邸の走狗になった、維新の党の分裂も大阪ダブル選も首相官邸のシナリオによって進められた、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(その3)

「政治は一寸先が闇」とよく言われるが、これは政治情勢の変化が激しいということばかりでなく、政治的謀略で「明日は何が起こるかわからない」ことを意味するようだ。この言葉を絵に描いたような事態が、首相官邸⇒創価学会本部⇒公明党大阪府本部のルートで…

政権復帰後の安倍首相は橋下維新を「改憲パートナー」に見定めた、だが橋下氏は従軍慰安婦問題発言と沖縄米軍風俗活用発言で窮地に陥った、救ったのは首相官邸だった、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(その2)

2012年12月総選挙での日本維新の躍進によって、改憲勢力である自公維3党の議席数は改憲発議に必要な3分の2をはるかに超え、残るは2013年夏の参院選で衆院と同じく3分の2議席を獲得することが自民党の至上命題になった。政権復帰した安倍首相…

橋下政治の8年間は終始、安倍政治の忠実な伴走者だった、「大阪」を売りにしながら「東京」(首相官邸)のコマ(駒)になる橋下維新の自家撞着、橋下引退後の「おおさか維新」はどうなる(その1)

橋下大阪市長が任期満了で引退する12月18日前後の3日間、私は東京への出張で関西を留守にしていた。大手紙を含めて東京各紙は橋下氏の引退を一応伝えたものの、その取扱いはさりげないもので特に目新しい点はなかった。折しも消費税10%値上げ時の軽…

「第3極=改革政党」を掲げてスタートした橋下維新の行き着いた場所は、結局のところ「極右=改憲政党」だった、大阪ダブル選挙の行方を考える(その16)

おおさか維新の会は12月12日、大阪市で臨時党大会を開き、18日で大阪市長の任期が終わる橋下代表の引退を了承し、後任に松井幹事長(府知事)を選出した。橋下氏は党の「法律政策顧問」として政策立案に関わる方針だという。松井氏は大会後の記者会見…

「大阪の将来をどうする! 大阪の将来ビジョンを考える市民フォーラム」(略称、大阪ビジョンフォーラム)を立ち上げ、市民の政策論議を深めよう、来る都構想住民投票は政策対決だけでは勝てない、市民の政策論議の積み重ねが必要だ、大阪ダブル選挙の行方を考える(その15)

反維新陣営がダブル選に完敗して以来、ろくさまに選挙総括をしないまま(できないまま)大阪自民の混乱が続いている。というよりは、大阪維新への対決姿勢が薄れ、これまで否定してきた重要案件への態度が変わり始めたのだ。12月8日の読売、9日の朝日・…

大阪維新のダブル選圧勝によって大阪の政治情勢は大きく変わった、大阪自民の安倍自民化とともに「オール大阪」体制の崩壊が進んでいる、来るべき大阪都構想住民投票には「革新+リベラル無党派層」の再結集が必要だ、大阪ダブル選挙の行方を考える(その14)

前々回の拙ブログでこんなことを書いた。 ――自民党大阪府連を取り巻く環境はこれから一段と厳しくなるだろう。ダブル選の勝利で大阪維新に世論が傾いたいま、橋下氏らの公明党を巻き込む多数派工作が間もなく実行に移されるだろう。橋下氏は11月26日の記…

大阪維新のダブル選圧勝は野党再編にどう影響を与えるか、早くも「共産党と組めば保守票が逃げる」とのキャンペーンが始まっている、おおさか維新を野党分断カードに起用する安倍戦略が着々と進行している(3)、大阪ダブル選挙の行方を考える(その13)

来年夏の参院選に向けて「おおさか維新」を野党分断カードに起用する安倍戦略が着々と進行している。首相官邸が中山泰秀・自民府連会長を「トロイの木馬」に仕立て、「オール大阪」を破壊したのは一にも二にもそのためだった。維新のダブル選圧勝が参院選に…

自民党大阪府連はダブル選完敗の総括をどうする、中山府連会長はこのまま居座るのか、それとも完敗の責任を取って辞任するのか、おおさか維新を野党分断カードに起用する安倍戦略が着々と進行している(2)、大阪ダブル選挙の行方を考える(その12)

大阪ダブル選の翌々日、11月24日の読売新聞は「エース降板 党の行方は」という興味深い記事を掲載している。「自民 柳本氏で大敗 人材喪失」というわけだ。それを象徴する光景が描写されている。 ――大阪維新の会が圧勝したダブル選から一夜明けた23日…

中山泰秀自民党大阪府連会長は首相官邸から派遣された「オール大阪」壊しのトロイの木馬だった、おおさか維新を野党分断カードに起用する安倍戦略が着々と進行している(1)、大阪ダブル選挙の行方を考える(その11)

大阪ダブル選投開票日から4日、漸く全体の選挙構図が見えてきた。すぐにもブログを書くつもりだったが、毎月寄稿している京都の月刊誌、『ねっとわーく京都』(2016年1月号、12月3日頃発売)の原稿締め切り日が重なったこともあり、今日までなかなか手がつ…

自民支持層は水と油の「安倍自民=吉村・松井支持層」と「大阪自民=柳本・栗原支持層」に分裂している、自民「大物」の投入は柳本・栗原支持層の拡大につながらない、ダブル選の帰趨は「大阪自民+共産・民主・公明=オール大阪」の連携に掛かっている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その10)

11月22日に迫った大阪ダブル選投開票日を前に、マスメディア各紙が16日朝刊で14日から15日にかけて行った大阪府民を対象とする世論調査結果を一斉に発表した。それによると、知事選、市長選ともに大阪維新候補が自民党推薦候補をリードしており、…

大阪ダブル選をめぐる自民党の複雑怪奇な「ねじれ」、維新2勝0敗=首相官邸、反維新2勝0敗=自民大阪府連、維新・反維新1勝1敗=自民党本部――どれが本音かわからない「ねじれ選挙」のなかで有権者は大いに戸惑っている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その9)

私が聞いたなんば高島屋前の谷垣自民党幹事長の応援演説はそれなりに「まっとう」なものだった。「大阪都構想は5月の住民投票でもう終わった。憎しみと対立はもうやめにしよう。大阪は(都構想で)大阪市を廃止するのでなく、他都市と連携して目標を決め、…

大阪ダブル選の終盤戦模様は、大阪維新の優勢が伝えられているにもかかわらず演説内容の空虚さが目立った、大阪都構想も個別政策も語らずただひたすらに「公務員・議会攻撃」に終始する松井・吉村・橋下3氏の街頭演説はもはや聴衆を引き付ける力を失っている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その8)

大阪ダブル選がいよいよ終盤戦に差し掛かかった11月14日(土)午後、大阪市内で行われている維新・反維新両陣営の選挙演説を聞きに行った。ひとつは柳本・栗原両候補の応援に来た谷垣自民党幹事長らのなんば高島屋前の自民党街頭演説、もうひとつは心斎…

「大阪都構想」住民投票とはいささか違う様子を見せ始めた大阪ダブル選、選挙争点は「都構想=空中戦」から「個別政策=地上戦」にシフトした、大阪ダブル選挙の行方を考える(その7)

前回ブログで、「知事選告示翌日の各紙が伝えるように、選挙前は最大争点と目されていた『大阪都構想』が前面に出てこなかった」と書いた。毎日新聞11月6日の記事によれば、松井氏は大阪市南部や地元の八尾市で街頭演説をしたが最優先の政策としてきた都…

大阪ダブル選は「党派選挙」ではない、「党派を超えた選挙」なのだ、地方自治・議会制民主主義「擁護」か、地方自治・議会制民主主義「破壊」かの戦いなのだ、大阪ダブル選挙の行方を考える(その6)

今回の大阪ダブル選を取り巻く情勢と政治構図はきわめて複雑だ。何しろ国政では与野党として対立しているはずの自民と民主・共産が「反大阪維新」で事実上手を組み、自民とは与党関係にある公明が「どちらにもつかない」立場を表明しているからだ。その一方…

国政政党を目指すと言いながら「大阪純化」する矛盾、地方分権型政党と言いながら「大阪主導=大阪独裁」にこだわる矛盾、「おおさか維新の会」は大阪以外では通用しない「橋下私党」となってやがて消えていくだろう、大阪ダブル選挙の行方を考える(その5)

橋下大阪市長らが10月31日、新党「おおさか維新の会」の結党大会を開いた。大会には衆参18人の国会議員、19都府県からの地方議員ら約240名が出席し、橋下氏は「『おおさか』は改革の象徴。東京中心だった政治を変え、地方からしっかり改革を進め…

大阪ダブル選挙は自民党の「ダブルスタンダード選挙」と化している、首相官邸が維新派候補を支援し、大阪府連が反維新派候補を支持する「二枚舌構図」が有権者を惑わせている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その4)

「ダブルスタンダード選挙」(二枚舌選挙)は公明党の特許とばかり思っていたら、そうではなかった。ここ大阪ダブル選では公明党に劣らず、自民党も「ダブルスタンダード選挙」なのだ。その「二枚舌構図」が大阪府民を惑わせ、自民支持層の分裂を招いている…

「大阪都構想」はなぜ生き続けるのか、大阪ダブル選挙が「東京対大阪」の対決構図にすり替えられるおそれ、「阪神タイガース王国・大阪」を「橋下王国・大阪」に絡めとろうとする大阪維新の選挙戦略、大阪ダブル選挙の行方を考える(その3)

10月19日発表の読売世論調査に引き続き、26日に毎日新聞(共同通信等との共同調査)、27日には朝日新聞の世論調査が発表された。ほぼ1週間を挟んでの大阪府民世論調査なので、選挙戦直前の大阪府民の政治意識をだいたい把握することができる。私が…

「大阪都構想」はまだ生きている、維新分裂劇の最中に橋下支持率が上がる不思議、読売新聞世論調査から見えてくるもの、大阪ダブル選挙の行方を考える(その2)

10月19日付の読売新聞をみて驚いた。10月16日から18日にかけて行われた大阪府内の有権者を対象とする同社の世論調査で、「大阪都構想に賛成」「大阪維新の会が都構想実現を(再び)目指す方針を理解できる」が相対的多数を占め(大阪市内では拮抗…

大阪ダブル選挙は「維新の党」の分裂で始まり、「橋下新党=おおさか維新の会」の不発で終わるだろう、「橋下流」攪乱政治は終焉の時を迎えた、大阪ダブル選挙の行方を考える(その1)

11月22日の「大阪ダブル選挙」が迫ってきた。府知事選、大阪市長選とも維新vs反維新の2極対立の構図は固まりつつあるが、一方の維新側は内紛が続いて事前運動もままならないようだ。昨日、今日のニュースでは、政党交付金の「分け前」をめぐって大阪系…

安倍内閣の「1億総活躍大臣」はいったい何を担当するのか、日本の軍事大国化を支える国民意識の形成(洗脳)が主たる役割だろう、ナチス政権のゲッペルス国民啓蒙・宣伝大臣のように、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(5)

過日、「リベラル21」(東京のジャーナリストの同人ブログ)に、「『1億総活躍社会』は意味不明のスローガンではない、ファッショ的国民総動員を目論む安倍改憲内閣の政治目標なのだ」という拙文を書いた。10月7日発足した安倍第3時改造内閣のなかで…

安倍第3次改造内閣は無事離陸できるだろうか、散々だった「1億総活躍社会」「新3本の矢」記者会見に続いて、TPP大筋合意の内容が間もなく明らかになる、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(4)

安倍首相は今日10月7日、内閣改造と自民党役員人事を行う。すでに全19閣僚のうち菅官房長官、麻生財務相、岸田外相、中谷防衛相ら約半数の9人の続投が決まっており、自民党役員では、谷垣幹事長ら党四役と高村副総裁がそのまま再任されるのだという。…

自民党総裁再選後の安倍首相の記者会見は何を物語るか、国民の声を無視して成立させた安保法には一言も触れず、オリンピック誘致の口実にした東日本大震災の復興についても何一つ語らない、能弁を振るったのは「1億総活躍社会」という空虚なコピーだけだった、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(3)

先週末の2、3日間、東京で行われた災害復興学会に参加していろんな報告を聞いた。災害復興学会は阪神・淡路大震災後に結成された新しい学会だ。土木学会や建築学会のような工学系一色の学会ではなく、文系・理系の研究者を問わず、またNPО関係者やジャー…

読売・産経両紙はいったい何のために世論調査をするのか、世論調査に現れた「民意」を無視した編集方針は果たして成立するのか、両紙は自らの編集方針や記事に関する世論調査を行い、読者の評価を受けるべきだ、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(2)

安保法案「成立」直後の9月19〜20日、新聞各社の世論調査が一斉に行われた。ここでは(1)「安保法の賛否」(安保法成立の是非)、(2)「安保法に関する政府・与党の説明」、(3)「内閣支持率」の3点に絞って各社の調査結果を見よう。それによる…

安倍首相は「パンドラの箱」を開けた、若者が憲法の平和主義、民主主義、立憲主義の理念に目覚めた、「歌を忘れたカナリア」(大人たち)が若者たちの勇気と行動に感動して反対運動に加わった、この「歴史的歯車」は来年夏の参院選に向けて一路動いていくだろう、憲法破壊の安保法案「成立」後の政治情勢について(1)

国民世論の圧倒的反対を押し切って、政府・自公与党は2015年9月19日未明、衆院に引き続き参院本会議においても安保法案(戦争法案)の採決を強行した。国是である憲法を1内閣の閣議決定で勝手に解釈改憲し、安保法案審議では問答無用の強行採決を繰…

消費税増税の先延ばし策(安保法案隠し)で総選挙の議席を掠め取り、消費税負担軽減策の財務省案(安保法案逸らし)で公明党支持層を撹乱する安倍政権の「目くらまし謀略」の真相、大阪都構想住民投票後の新しい政治情勢について(6)、橋下維新の策略と手法を考える(その60)

安保法案審議が参院で最終盤に差し掛かった9月10日、自民・公明両党による与党税制協議会が開かれ、財務省から消費税10%時の負担緩和策としてマイナンバーカード利用を前提とする2%還付案すなわち「日本型軽減税率制度」が突如示された。今回の財務…

安保法案反対デモを敵視する「極右政治家」「反動イデオローグ」の発言は、憲法を守り民主主義を擁護する国民世論への恐怖感の裏返しだ、大阪都構想住民投票後の新しい政治情勢について(5)、橋下維新の策略と手法を考える(その59)

安保法案の参院審議が終盤に近づくにつれて、安保法案反対のデモが国中に広がっている。国会審議を通して安倍首相や関係閣僚の「ハチャメチャ答弁」の矛盾が赤裸々に暴露され、「こんな無茶な法案を通すわけには行かない」との国民感情が日増しに高まってい…

議会制民主主義ならぬ「議会制独裁主義」が日本を支配しようとしている、安倍政権・橋下大阪市長と読売・産経両紙がコラボして推進する「議会制独裁主義=新たなファッショ的潮流」に対する国民的反撃が必要だ、大阪都構想住民投票後の新しい政治情勢について(4)、橋下維新の策略と手法を考える(その58)

如何なる国民世論にも耳を傾けず、如何なる国会審議にもまともに答えず、ただ議会多数の「数の力」だけでひたすら安保法案の成立を目指す安倍内閣とはいったい如何なる政権なのか。また選挙で当選さえすれば、如何なる政策の失敗も反省せず、議会での審議を…