2016-01-01から1年間の記事一覧
暮れに親しいジャーナリストたちと忘年会を兼ねて忌憚のない意見交換をした。その時に一致した結論は、来年は必ず安倍政権に危機が訪れるというものだ。内閣支持率は高止まりで推移しているし、アベノミクスの破綻は明白なのに「まだ道半ば」と言えば、国民…
「歴代首相で初めて」―と鳴り物入りで打ち出された安倍首相の真珠湾訪問が12月26、27両日に迫った。今年5月のオバマ大統領の広島訪問が国内世論の予想以上の好感を呼び、各紙の世論調査でも8〜9割がオバマ大統領の広島訪問を評価するという結果にな…
悪い時には悪いことが重なるもので、日露首脳会談が行われる直前の12月13日夜、沖縄県名護市海岸に米軍オスプレイが「不時着」(墜落)して大破した。しかし、その後の米軍の態度がいけない。在沖縄米軍トップが謝罪するかと思いきや、抗議に訪れた県副…
前回、拙ブログで自民二階幹事長と民進野田幹事長が12月6日昼、都内で密会(会食)した件について、「55年体制時代の国対政治のようだ」と指摘した政治ジャーナリスト、鈴木哲夫氏のコメントを紹介した(夕刊フジ、12月8日)。それから僅か1週間も経た…
最近の民進党はいったい何を考えているのかよくわからない。不透明というか、不明瞭というか、国会審議においても党内がバラバラに動いていて政党としての存在感が見えない。マスメディアが挙って反対したカジノ法案の国会審議でさえも、党内では賛成するの…
相次ぐ(連日の)自公維3党の強行採決で、国会はもはや「議決機関」ではなくて単なる「可決機関」に変質してしまったかのようだ。TPP承認案、年金カット法案、カジノ法案のいずれもが議論を尽くすことなく衆院(同委員会)で自公維3党の手で強行採決され…
トランプ氏の私宅訪問が安倍政権の外交政策の一環だとするなら、これほど惨めな結果はないだろう。なにしろトランプ氏を「信頼できる指導者だと確信した」と天まで持ち上げたにもかかわらず、直後にトランプ氏がビデオメッセージで「TPPから正式離脱する…
11月18日のテレビニュースは、安倍首相のトランプタワー訪問一色で染まった。安倍首相は会談後、記者団に対し「胸襟を開いて率直に話ができた」と述べ、トランプ氏については「信頼できる指導者だと確信した」と語った。会談の中身については、まだ次期大統…
アメリカのTPP撤退でお先真っ暗の安倍内閣の支持率がなぜ上がるのか、国民にとってはアベノミクスの行き詰まりよりも、国際情勢にたいする「不安」の方が大きいのだ、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その26)
トランプ氏がアメリカ次期大統領に選ばれた直後の11月12〜13両日、読売新聞と産経新聞の世論調査が行われ、結果が15日に掲載された。私が主に注目したのは、アベノミクスの「残された矢=TPP」が完全に行き詰った状況を国民がどう判断するか、T…
アメリカ大統領選を衛星テレビで1日中見ていた。まるで世界の同時代史の進行を目の当たりにしているような気分だった。アメリカの抱える矛盾の深さを想うと同時に、アメリカと一蓮托生(対米追随)の道を歩もうとする安倍政権の無謀さに改めて危機感を抱い…
このところ、野党共闘に関する民進党執行部の発言がぶれにぶれている。野田幹事長が11月2日に小沢自由党代表と会談して「共産抜き」の野党共闘を推進する気配を見せたかと思うと、今度は蓮舫代表が11月7日の都内講演で、次期衆院選の小選挙区について「1対…
前回の拙ブログでは、「責任野党抜き=民進抜き」の野党共闘の必要性について述べた。だが、野田幹事長もさるもので、今度は逆に「共産抜き」の野党共闘を打ち出してきた。11月3日の朝日記事は、小沢自由党代表との会談の内容を次のように伝えている。 ――民…
10月23日の衆院補選以来、衆院解散が遠のいたとの噂が意識的に流される中で野党共闘は目下まったくの音無し状態だ。このままだと、安倍首相が抜き打ち解散に打って出れば野党の大敗は免れない。とりわけ民進党は壊滅状態に陥るだろう。なのに、野田民進党幹…
衆院補選の翌日、10月24日の野田民進幹事長の記者会見には開いた口が塞がらなかった。各紙が伝えるところによると、記者会見の詳細は明らかにされていないが、野田流の「選挙総括」ともいえる内容の発言なので見過ごせない。短い記事の中から注目しなければ…
10月23日投開票の衆院両補選は、告示直前に共産が候補を取り下げる形で野党共闘が成立したにもかかわらず過去最低の投票率となり(東京10区35%、福岡6区45%)、いずれも与党候補が圧勝し、野党候補は完敗した。東京10区の投票率などは過去最低だった2014年…
2016年10月16投開票の新潟県知事選で、原発再稼働に反対する知事が鹿児島県に次いで誕生した。特筆されるのは、民進が与党候補を支援する連合新潟(電力総連)の意向を受けて野党共闘から脱落し、「自主投票」を決定したにもかかわらず、野党候補が「野田抜…
10月11日告示、23日投開票の衆院補選が東京10区と福岡6区で始まった。両選挙区ではいずれも野党共闘が成立して民進党候補に一本化されたが、内情は複雑で選挙運動がいっこうに盛り上がらないらしい。東京10区に関して言えば、与党側も内幕は複雑…
芹川日経論説主幹の「民進は全体、右向け右!」の論説を読んで、まず私が最初に感じたことは「全体主義」(軍国主義)のきな臭い匂いだった。私のような戦前生まれの者には、毎朝校庭で「右向け右!」と号令を掛けられ、整列させられた記憶がいまだ鮮明に残…
本論に入る前に東北の復興状況について一言記したい。宮城県の石巻専修大学で10月1日から開催された災害復興学会の前に、石巻市半島部の漁村の復興状況を現地見学してきた。目立ったのは巨大防潮堤があちこちで着工中なのに対して、高台移転や復興住宅の建設…
第192臨時国会が9月26日に召集された。安倍首相は同日午後、衆参各院の本会議で所信表明演説を行い、参院選ではまったく触れなかった憲法改正を取り上げ、国会の憲法審査会で与野党の立場を超えて議論を深めるよう求めた。予想通りの展開だ。だが、テレビニ…
蓮舫・野田体制がスタートした9月21日の両議院総会の翌日、22日付各紙の民進党新執行部に対するバッシングは凄まじかった。二重国籍問題で蓮舫氏を一貫して批判してきた産経新聞は別格だとしても、その他の各紙においてもご祝儀記事とは程遠い批判的論調が目…
野田氏を執行部の要に起用した民進党人事は、その後も迷走を続けている。この間書かなければならないことは山ほどあったが、京大吉田寮セミナーの準備に手を取られて間があいてしまった。本題に入る前に少しだけ紹介したい。「21世紀の京都大学吉田寮を考え…
今日9月16日の早朝、NHKラジオのニュースを聞いて驚愕した。民進党代表選で新代表に選出さればかりの蓮舫氏が、次の焦点である幹事長人事について野田前首相の起用を提案するというのである。早速、朝日、毎日、日経各紙の朝刊を調べてみたが、そんな…
過日の毎日新聞の報道によれば、民進党代表選で蓮舫氏が第1回投票で過半数を占める勢いなのだという(毎日新聞、2016年9月8日)。その後、各紙の調査でも同じ傾向だというからその通りなのだろう。国会議員票で蓮舫氏がリードしているのに加えて、地方票で…
民進党代表選が行われているが、正直なところいっこうに盛り上がらない。9月7日の毎日新聞(東京夕刊)では、「代表選中ですが、民進党にもの申す このままでは万年野党の道か」との特集ワイド記事までが組まれる有様だ。記事の趣旨は、「野党共闘のあり方…
2016年9月2日、民進党代表選に立候補したのは、蓮舫氏、前原氏、そして新顔の玉木氏の3人となった。玉木氏は、告示日直前まで推薦人20人を集めることができず、代表選は蓮舫、前原両氏の一騎打ちになると見られていた。しかし辛うじて立候補できた…
9月になると、民進党の代表選(9月15日投開票)が始まる。9月2日の告示日を控えて目下代表選に名乗りを上げているのは、民進党代表代行の蓮舫氏と旧民主党代表の前原氏の二人だけだ。おそらくこの二人の決戦投票になるのだろう。蓮舫氏は選挙区が東京…
都知事選直後から「小池新党」をめぐる噂が絶えない。過半数という圧倒的な自公与党会派を前にして徒手空拳で戦いを挑むことなど、小池知事は毛頭も考えていないからだ。彼女には粘り強い水面下の交渉で与党会派を手なずける気持ちもなければ、ボス連中と妥…
毎月コラムを連載している『ねっとわーく京都』10月号(9月5日発売予定)に、「人口減少時代、東京一極集中は日本を亡ぼす」との論考を書いた。東京都知事選を考える場合、「東京都をどうするか」という課題は常に「東京一極集中をどう考えるか」というテー…
8月12日の各紙電子版は、「稲田氏、終戦記念日に靖国参拝を見送り」と伝えた。防衛省が12日、稲田防衛相が13〜16日の日程でアフリカ北東部のジブチを訪問し、自衛隊の派遣部隊を視察すると発表したからだ。これで、稲田氏が靖国参拝を強行する(に…