2024-01-01から1年間の記事一覧

〝党存亡の危機〟を訴えた第2回中央委員会総会、全支部が立ち上がれば目標実現が可能との「仮定の方針」を実現できるか、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その21)、岸田内閣と野党共闘(86)

4月6、7両日にわたって開かれた共産党の第2回中央委員会総会(2中総)が終わり、「党づくりの後退から前進への歴史的転換を――全党の支部・グループのみなさんへの手紙」が公表された(赤旗4月8日)。今回の2中総の際立った特徴は、これまでのような長文の決…

赤旗が人民的ジャーナリズムの〝中核的役割〟を担う存在から、党中央と地方党機関を維持するための〝財源〟に変質しようとしている、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その20)、岸田内閣と野党共闘(85)

党勢拡大運動の絶頂期にあった1970年代後半から80年代前半にかけて、共産党の機関紙「赤旗」は、人民的ジャーナリズムの〝中核〟を担う存在として位置付けられていた。そこには「機関紙中心の党活動の全面的な定着を」をスローガンに大衆的前衛党としてその…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか(追伸5)、党員拡大と赤旗読者拡大が「負のスパイラル」に陥っている、機関紙活動局長、財務・業務委員会責任者連名による赤旗発行の危機訴えについて

「追伸」をもう止めようと思いながら、今回もまた書くことになってしまった。読者諸氏からのコメントが(内容は一々紹介しないが)相次ぎ、そこでの問題意識に応えることが拙ブログに課せられた役割の一つと思ったからだ。コメントの多くは、機関紙活動局長…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか(追伸4)、「開拓と苦悩の百年」を強調するだけでは国民の共感を広げられない、全国都道府県学習・教育部長会議での志位発言を読んで

これまで拙ブログに対しては心ない批判(罵詈雑言)が幾度となく浴びせられてきたが、最近になって前向きのコメントが少しずつ増えるようになった。今回の「追伸シリーズ」についてもかなりの反応があり、その中で特に多かったのは志位発言の内容に関する分…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか(追伸3)、入党を上回る離党が発生している事態は深刻にしてかつ重大だ。「底の抜けた樽」に水を注ぐような党勢拡大運動はもはや限界に来ている

前回に引き続き、拙ブログの「追伸」に寄せられたもう一つのコメントにも触れたい。趣旨は、無理な党勢拡大運動が却って離党者を増やしているのではないか――というものだ。このコメントについては、すでに拙ブログ(1月16日)で詳細に論じているが、改めて考…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか(追伸2)、志位1強体制の下での「官許哲学」の押し付けは、党の思想・理論水準の劣化しかもたらさない

前回の拙ブログの「追伸」に対して幾つかのコメントが寄せられた。その中の一つに、「党組織の問題点を指摘する批判を排除する官僚的執行部はますます孤立し衰退していく。その原因は党中央の思想水準の低下にある」との指摘がある。そう言えば、不破体制の…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか(追伸)

前回の拙ブログから3日後、「幹部会決定にたちかえり、3月こそ『三つの課題』をやりきる月に」との呼びかけが、大会・幹部会決定推進本部から改めて出された(赤旗3月2日)。趣旨は、2月には「掲げる目標ではなく、やりきる目標」として党勢拡大を訴えたもの…

赤旗(日刊紙)を読まない党員が4割を超える現実をどうみるか、長文の政治方針の学習が忌避され、配達体制が崩れてきている、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その19)、岸田内閣と野党共闘(84)

2月6日の全国都道府県委員長会議以来、赤旗の紙面は「党大会決定の徹底、党勢拡大、世代的継承の3課題をやりぬこう」との檄文で埋め尽くされている。具体的には、志位議長が「中間発言」で解明した新しい理論的・政治的突破点を〝導きの糸〟にして、2月中に…

表紙は変わっても中身が変わらない〝志位体制〟の抜き差しならない矛盾、「政治路線も組織路線も間違っていない」の言明にもかかわらず、「長期にわたる党勢後退」を克服できないのはなぜか、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その18)、岸田内閣と野党共闘(83)

歴史的な京都市長選が終わった翌々日(2月6日)、日本共産党の全国都道府県委員長会議が開かれた。その模様は、赤旗(2月7~9日)で詳しく報道されている。驚いたのは、田村委員長の「問題提起」が前座として取り扱われ、志位議長の「中間発言」が本番に位置…

「支援」と「推薦」はどう違うか、市民派首長選挙における政党の立ち位置に共産は失敗した、2024年京都市長選から感じたこと(2)

前回に引き続き、もう少し有権者の投票行動に関する分析を見よう。朝日新聞の出口調査は、「門川市政の評価」および「候補者を応援する政党や議員、団体」との関係から誰に投票したかを尋ねている(朝日新聞2月6日)。総じて、門川市政に肯定的な人は松井氏…

「裏金政党」自民と手を組む立憲民主(京都)に明日はない、2024年京都市長選から感じたこと(1)

事前に「横一線」と伝えられていた2024年京都市長選は、松井孝治候補(自民・立憲民主・公明・国民民主推薦)が福山和夫候補(市民派・共産支援)に1万6千票の僅差で競り勝った。自民党派閥の裏金疑惑が渦巻く中での市長選だったが、長年続いてきた「非共産…

〝政治とカネ〟問題が2024年京都市長選挙を直撃している、京都の「オール与党体制」が崩壊する可能性が出てきた、京都政界にみる政治構図の変化(1)

2月4日投開票の2024年京都市長選挙は、当初、維新の会と前原新党が仕掛けた「3極選挙」になるはずだった。両党が結託して地域政党・京都党の村山候補を担ぎ出し、長年続いてきた「非共産対共産」の政治構図に代わる新しい潮流をつくる算段だったのである。維…

超高齢化した党組織は2050年で〝自然死状態〟(生物学的生存危機)に直面するかもしれない、若者世代を迎えて党勢を立て直すには「開かれた組織」になるしかない、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その17)、岸田内閣と野党共闘(82)

党員現勢は、人数(量)と年齢構成(質)が公開されて初めて正確な実態を知ることができる。毎年3月に発行される国立社会保障・人口問題研究所編集の人口統計資料集『人口の動向、日本と世界』(以下、社人研資料という)は、目次が「Ⅰ 人口および人口増加率…

『日本共産党の百年』が語らない〝長期にわたる党勢後退〟の原因、数の拡大を至上目的とする拡大運動が多数の離党者を生み出し、硬直的な組織体質が若者を遠ざけて党組織の高齢化を引き起こした、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その16)、岸田内閣と野党共闘(81)

『日本共産党の百年』の「むすび――党創立百周年を迎えて」は、それ以前の五十年史や八十年史には見られなかった悲壮な言葉で綴られている。とはいえ、党の危機を訴える一方、なぜ〝長期にわたる党勢後退〟が継続しているかについては十分な説明がされていな…

多数者革命は「強く大きな党」ではなく「信頼と共感の党」でなければ実現できない、130%の党づくりは〝永遠の目標〟に終わるだろう、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その15)、岸田内閣と野党共闘(80)

日本共産党の第29回党大会(2024年1月15~18日)が終わった。党大会は目玉とされた女性初の田村智子新委員長を選出して「刷新」のイメージを演出したが、志位委員長が空席の議長に就任し、常任幹部会委員を兼務することが判明してその期待は一気にしぼんだ。…

「表紙=女性委員長」だけ換えても「中身=志位体制」が変わらなければ意味がない、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その14)、岸田内閣と野党共闘(79)

2024年1月15日から始まった日本共産党第29回党大会が、久しぶりでマスメディアの注目を浴びているようだ。私が定期購読している朝日、毎日、日経の各紙は1月16日、総合面や政治・外交面のトップ記事扱いで党大会を大きく報じた。以下は、見出しとリード文の…

30年足らずの間に3度の大地震に見舞われた日本列島、2024年は能登半島地震と羽田航空機事故で明けた

昨年暮れ、自民党政治資金(裏金)疑惑をめぐる東京地検特捜部の安倍派事務所と二階派事務所の強制捜査が始まり、日本政界に衝撃が走った。「パンドラの箱」を開けた――とまではいかないが、情勢によっては今後思いもかけない展開が待っているかもしれない。…

党勢拡大運動の破綻を外交日程の消化で覆い隠すことはできない、志位委員長は党勢拡大運動の失敗を第29回党大会はどう総括するのか、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その13)、岸田内閣と野党共闘(78)

2024年元旦の赤旗を開いて驚いた。1面トップに「東アジアの平和構築へ、東南アジア3カ国、発見と感動の9日間、志位委員長が新春緊急報告」と題する大見出しが躍っているではないか。「6面につづく」とあるのでめくってみたら、6面から9面まで全てが「新…