2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧
東日本大震災からの復興、とりわけ甚大な被害を受けた東北3県の1日も早い再生を願うのはひとり日本国民だけではない。海を超えた数多くの国や地域からも、無数の人びとの深い思いが同じように寄せられている。その気持ちを象徴する言葉が“絆”(きずな)であ…
宮城県復興計画の性格をワンフレーズで言いあらわすとすれば、それは“財界による、財界のための、財界の地方計画”ということになるだろう。より具体的に言えば、「財界による=野村総研による計画策定支援」、「財界のための=東北州実現のための」、「財界…
野村総研(NRI)は、野村証券を母体とするわが国最初の民間シンクタンクであり、現在では資本金186億円、年間売上高3千数百億円、従業員数6千数百人を擁する巨大な財界系シンクタンクだ。NRIの「ニュース・リリース」によれば、同研究所は東日本大震災…
私が宮城県震災復興計画のことを初めてブログ日記に書いたのは、いまからちょうど1年前の5月13日と17日のことだ。タイトルは13日が「創造的復興という名の“道州制導入実験”に突っ走る宮城県震災復興計画」、17日が「“戒厳令”といったキナ臭さが漂う宮城県震…
前回説明した山田町の「地区別復興計画行政素案」に対する住民アンケート結果は、「行政案のいずれかに賛成」50.1%、「よくわからない」27.1%、「その他」2.7%、「無回答」20.2%という内訳だった。この数字(だけ)をみると、山田町が住民合意のもとに復興計…
宮城県・福島県のこともそろそろ書かなければならないので(こちらの方が岩手県よりもっと複雑で深刻な事態に直面している)、岩手県に関する報告はこれぐらいして、最後の1、2回は山田町の地区別復興計画の見通しについて語ろう。 「山田町復興計画行政素…
岩手県復興計画では津波対策の基本的な考え方として、「海岸保全施設の整備目標は過去に発生した津波等を地域ごとに検証し、概ね百数十年程度の頻度で起こり得る津波に対応できる高さとする」(第3章、復興に向けたまちづくりのグランドデザイン)としてい…
以上、見てきたように、県や市町村の復興計画の策定現場では、岩手県のように復興理念として「暮らしの再建」と「なりわいの再生」が強調されているところでも、また山田町のように丁寧に計画策定プロセスが踏まれているところでも、結局のところ復興計画は…
山田町復興計画の心臓部である地区別復興計画の基本方向が決まった。それは「既存市街地・集落を基本にしたコンパクトなまちづくり」というもので、中心には「漁港は水産業の復興に不可欠な施設として現位置で再生する」という“職の復興原則”が据えられてい…
山田町復興計画の白眉は、何と言っても「既存市街地・集落を基本にしたコンパクトなまちづくり」だろう。沿岸地域の既存市街地や集落のほとんど全てが漁港を中核にして形成された職住一体のまち(地域コミュニティ)である以上、これらの市街地・集落の再生…
山田町の復興計画は、当初の予定通り2011年12月末に策定された。災害発生以来、わずか10か月足らずの“スピード策定”だ。ただし「計画」といっても、「構想計画」(問題解決への基本理念と政策の大まかな方向性を示したもの)、「基本計画」(政策・…