2010-01-01から1年間の記事一覧

菅政権のダッチロール(その10)、日本の政策転換・政権交代は長い過渡期を必要とする

この年末で機長や客室乗務員など170名のベテラン労働者が日航JALから強制解雇されるのだという。だが菅政権もその支持母体である連合も抗議の声一つすら上げようとしない。多くのマスメディアも事実上の黙殺状態を続けている。まさに日本資本主義にと…

菅政権のダッチロール(その9)、菅政権の基本的性格は「非小沢型大連立」をめざす新自由主義過渡的政権だ

この10日間ほど日記を書く意欲が全く湧かなかった。毎日のニュースが小沢問題などもっぱら政界の泥仕合ばかりで、まともに論評できる出来事には何一つお目にかかれないからだ。それというのも菅政権がその場凌ぎの政権運営を続けていて、政治に対する国民…

菅政権のダッチロール(その8)、沖縄県知事選の結果をどう読むか

先週の12月9日、龍谷大学法学部主催で大田昌秀元沖縄県知事を招いての公開シンポジウムがあった。テーマは「沖縄からみた普天間基地問題」である。沖縄県知事選の直後とあって、学生たちに交じって一般市民も多数参加して盛大な催しとなった。なかでも参…

菅政権のダッチロール(その7)、民主党は「偽装政党」だったのか

昨日12月6日、臨時国会終了後の菅首相の記者会見を聞いて、「民主党はもはや政権政党の体をなしていない」と思ったのは私だけではないだろう。テレビの街頭インタビューでも、人びとは「菅さんが何をいおうとしているのかさっぱりわからない。フニャフニ…

菅政権のダッチロール(その6)、北朝鮮の軍事的挑発行動をどうみるか、「飼い犬」に手を噛まれた中国、その2 

アムネスティ講演会において、講師(アジアプレスのジャーナリスト)が繰り返し強調したのは、北朝鮮の独裁体制は世界でも類を見ない特異な専制体制であり、群を抜いた完成度をもつ抑圧体制だというものだった。その象徴が、1974年に決定された「党の唯一思…

菅政権のダッチロール(その5)、北朝鮮の軍事的挑発行動をどうみるか、「飼い犬」に手を噛まれた中国、その1

相次ぐ内憂外患問題で窮地に追い詰められている菅政権にとって、今回の韓国に対する北朝鮮の軍事的挑発行動は「神風になるかもしれない」との声が民主党内部から出ているそうだ。国民の眼が北朝鮮の暴発行動に釘づけされることで、菅政権への国内の批判が「…

菅政権のダッチロール(その4)、社民党はいつ与党に舞い戻ったのか

このところ国会では、柳田法相の発言問題について「集中審議」が行われている。だが、肝心の補正予算審議の姿はなかなかみえてこない。来週あたりの大詰めの段階では、柳田法相に対する問責決議案と補正予算案の双方が天秤にかけられ、ひょっとすると菅首相…

菅政権のダッチロール(その3)、「平成の開国」は何をもたらすか

この数日間、マスメディアは「尖閣ビデオ」の犯人探しの話題で持ちきりだ。新聞もテレビも大紙面(大画面)を割いて、朝から晩まで同じニュースを繰り返し流している。案の定、11月11日から始まった沖縄県知事選挙の報道は、最初から片隅に小さく追いや…

菅政権のダッチロール(その2)、国際テロ機密文書や尖閣ビデオがなぜ流出するのか

菅政権が直面する内憂外患の「外患」は、いうまでもなく領土問題をめぐる軋轢だ。それも「前門の虎」は中国で「後門の狼」はロシアだというのだから、日本列島と「一衣帯水」の関係にある両大国から一度に挟み撃ちされたことになる。偶然なのか意図的なのか…

菅政権のダッチロール(その1)、小沢氏を切れない理由

8月に北朝鮮を訪問してからこの3カ月、もっぱら北朝鮮問題やそれに関連する中国問題について書いてきた。国際政治を専門にしているわけでもない私が、自分の個人的な興味や関心を文字にすることの不安は免れない。しかし、この種の「素人談義」も現在の政…

北朝鮮を「鏡」にして見た中国の「実像」、太子党による世襲体制の究極矛盾、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編、最終回)

日中交流の場では、中国の学生たちはあまり政治の話はしない。というよりは、大学当局から「政治の話はしないように」と釘を刺されているらしい。だが日本の大学に留学して学位を取り、中国で教職や研究職に就いている教員たちのなかには、天安門事件当時に…

北朝鮮を「鏡」にして見た中国の「実像」、反日デモの背景、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編、その5)

8月上旬の北朝鮮訪問を切っ掛けにして始めたこの「北朝鮮日記」は、今回を含めて約20回になる。だが当初の意図とは異なり、最終的には中国問題に行きついたのは自分でも意外だった。とはいえよく考えてみると、北朝鮮問題は中国問題と表裏一体である以上…

中国の一党支配と北朝鮮世襲体制との関係、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編、その4)

今日10月10日は、北朝鮮労働党の65周年創立記念日だ。午前中に2万人の兵士を動員したといわれる過去最大の軍事パレード(閲兵式)が、金正恩(ジョンウン)への権力世襲の披露もかねて金日成広場で行われた。中国をはじめ友好関係にある諸外国代表や…

3代世襲体制を利用する中国の北朝鮮支配の構図、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編、その3)

これまで中国は、「社会主義と世襲体制は両立しない」といって、北朝鮮体制を厳しく批判してきたはずだ。したがって、今回の朝鮮労働党代表会に対しても、私はこの態度が基本的に踏集されるものだと思っていた。ところがどうだろう。胡錦濤国家主席は代表会…

ガラスの箱・ピョンヤンで演じられた「3代世襲政治ショー」、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編、その2)

延期されていた北朝鮮労働党の代表者会が9月28日「革命の首都」ピョンヤンで開催された。「革命の血統」を受け継ぐ「3代世襲政治ショー」が華々しく開幕・上演された。朝鮮中央通信が配信した一連のテレビ映像のなかでは、ピョンヤン中央駅に到着したピ…

北朝鮮(王朝)の3代世襲は可能か、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、番外編その1)

9月上旬に予定され、その後、何の説明もなく延期されていた北朝鮮の労働党代表会が、明日9月28日にピョンヤンで開かれるのだという。しかし日本のマスメディアは、尖閣諸島問題をめぐる中国の強硬姿勢に関する報道に忙殺されて、北朝鮮関係のニュースは…

北朝鮮訪問を通して感じたこと、思ったこと(3)、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、最終回)

ここ2、3日のテレビニュースは、ピョンヤンで労働党代表会のための準備が盛んに進められていると伝えている。だが、新義州一帯(シニジュ地区)の洪水被害と復旧状況についてはニュースらしいニュースがない。中国からの報道では、シニジュ地区の被害は極…

北朝鮮訪問を通して感じたこと、思ったこと(2)、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その14)

これは私の個人的観測にすぎないが、今年5月の中朝会談において、胡錦濤中国国家主席は、金正日総書記に対して「経済の改革開放政策を実行すること」(金日成のチュチエ思想を放棄して中国の経済援助を受け入れ、合弁企業化すること)、「集団指導体制を構…

北朝鮮訪問を通して感じたこと、思ったこと(1)、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その13)

もうそろそろ、この北朝鮮訪問記も終わりにしなければならない。基本的な蓄積もないままにこれ以上書くと、記述に誇張や誤りが出てくるおそれがあるからだ。そうでなくても、北朝鮮関係の情報は推測や憶測に基づくものが多い。北朝鮮自体が「秘密国家」なの…

北朝鮮の行方とその分岐点(2)、朝鮮族実業家との意見交換を通して、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その12)

I氏の話に対して、私の友人も同意見だった。北朝鮮が生き残るためには、現在の核開発を止めることが唯一の道だというのである。核開発と弾道ミサイル開発を止めれば、6カ国協議でもイニシャティブを取れるし、各国の経済制裁を解除して経済支援を期待する…

北朝鮮の行方とその分岐点(1)、朝鮮族実業家との意見交換を通して、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その11)

僅かな期間の訪問と一知半解の知識で北朝鮮の行方を論じることなど、大それたことは慎まなければならない。でも単なる旅行印象記に終わらないで、垣間見た現実を通して若干のコメントを表明する程度のことは許されるだろう。折しも北朝鮮労働党代表会が近く…

致命的な「まちなか観光」の不在、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その10)

ピョンヤン市内の観光資源があまりにも金日成一色に染まっていることを意識してか、最近では少しずつ「地方観光」にもレパートリーが広がってきているようだ。かって外国人が立ち入ることができる都市は、ピョンヤン・開城・羅新などの一部地域に限られてい…

時代錯誤で化石的ともいえる北朝鮮観光政策の矛盾、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その9)

歴史的にみれば、観光旅行は信仰する場所(聖地)への巡礼や参詣に起源があるとされている。キリスト教の発祥地であるベツヘレムやエルサレム、イスラム教のメッカなどへの巡礼は、敬虔な信徒・信者にとっては生涯をかける大事業であったし、今も変わらない…

ガイドの熱意と体制的制約との間の北朝鮮観光の大きなギャップ、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その8)

実際の観光を始めてみて、今回の北朝鮮訪問で一緒に行くはずになっていた国際経験の豊富な記者ОBが、直前になって「お仕着せのコースなどクソ面白くもないよ!」といってキャンセルした理由がよくわかった。それは北朝鮮観光における「定番コース」のことを…

激減した日本人の北朝鮮観光、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その7)

いま現在、北朝鮮に決定的に不足しているのは、食糧、エネルギー、外貨だといわれる。石油燃料の絶対的不足から軽油やガソリンなどの自動車燃料の使用が極度に制限され、走っているのは特権層の乗用車(ベンツなどドイツ系高級車が好まれる)、軍関係のジー…

平義線沿線の農地・農村・農民のリアルな情景、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その6)

新義州からピョンヤンに至る平義線の沿線一帯は、山岳地帯が国土の大半を占める北朝鮮のなかでも比較的平地部が多く、その多くは水田地域になっている。とりわけ新義州周辺は穀倉地帯と言われ、慢性的な食糧難に直面している北朝鮮にとっては、いわば一国の…

鴨緑江鉄橋からみた北朝鮮大洪水災害の前兆、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その5)

この数日間、鴨緑江周辺で豪雨による大洪水災害が発生したとの報道が相次いでいる。中国の新華社電によれば、北朝鮮の朝鮮中央通信は、21日午前0時から午前9時の間に300ミリの大雨が降り、中国と北朝鮮の国境を流れる鴨緑江が氾濫して、新義州市では…

危機的状況にある北朝鮮の鉄道施設(2)、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その4)

鉄道施設のなかでも、橋梁はきわめて重要な施設だ。とりわけ大河を渡る橋梁は、高度な建設技術と莫大な建設コストを要するだけでなく、いったん戦争になると最大の攻撃目標になるので、橋梁を攻撃から守ることが軍事作戦上の至上命令となる。1970年代初…

危機的状況にある北朝鮮の鉄道施設(1)、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その3)

鉄道や道路などの「交通インフラ」は、一国の生産と生活を支える不可欠の社会基盤施設だ。交通インフラの整備はまた、軍事目的とも不可分に結びついている。とりわけ中国東北部や朝鮮半島の鉄道網は、日本帝国が大陸進出・植民地支配の戦略的手段として敷設…

ピョンヤンまでなぜかくも長時間を要するのか、(近くて遠い国、北朝鮮への訪問、その2)

北京駅からピョンヤン駅までは、週に4本(月・水・木・土)の国際列車K27が出ている。路線距離は、北京から丹東(中国側国境駅)まで1142キロメートル、新義州(北朝鮮側国境駅)からピョンヤンまで225キロメートル、鴨緑江を挟む但東・新義州間…