大阪都構想住民投票は歴史的勝利にもかかわらず「薄氷を踏む大接戦」だった、なぜ大阪維新は70万近い賛成票を獲得したのか、この点を解明しなければ大阪市政は一歩も前へ進めない、各位の忌憚のないコメントを期待する、大阪都構想住民投票の意義と課題について(1)、橋下維新の策略と手法を考える(その29)

 大阪都構想住民投票の当日、私はニュースの受信圏から遠くはなれた場所にいて開票速報を的確に把握できない状態にあった。やっと全体状況を理解できたのは投開票日の翌朝、5月18日午前5時のNHKニュースを見たときのことだ。一瞬、安堵したものの、1%にも満たない賛成・反対の票差を知って余りの僅差に慄然とせざるを得なかった。むしろ「背筋の凍る思い=恐怖感」に襲われたと言ったほうが適切かもしれない。勝敗は「紙一重」というが、これはまさに「薄紙一枚」の勝利ではないか。勝ったのが不思議であり、奇跡だったとさえ言える。

住民投票は確かに反対側の勝利には間違いないが、それは大阪市が辛うじて「首の皮一枚」を残してとどまっただけのことだ。なぜ、かくも多くの大阪市民が都構想に賛成票を投じたのか。研究者から見れば「荒唐無稽」としか言いようのない都構想がなぜかくも多くの大阪市民を惹きつけるのか。この事実を冷静に分析し、そこから学ぶべき教訓を引き出してこれからの大阪市政に生かさなければ、「第2、第3の橋下」が登場してくることは避けられないだろう。

私は研究者の一員としてこの課題をずっと考え続けているが、正直言っていまだその全容を描ききれていない。そこで各位に忌憚のないコメントを寄せていただき、そこでの「論壇」を通して今回の住民投票の意義や課題を考えて見たいと思う。たとえば、以下のような設問に対してである。

(1)維新の固定票はこれまで30万余りだと言われていましたが、今回の住民投票の賛成票は70万近くに倍増しました。この原因としてはどのようなことが考えられますか。
(2)橋下氏が2011年大阪ダブル選挙で大阪市長に当選したときの投票率は61%、得票数は75万票でした。今回の住民投票投票率は67%、賛成票は69万5千票です。両投票には関係があると考えられますか。
(3)今回の住民投票で僅かながらも反対票が賛成票を上回りました。この原因
としてはどのようなことが考えられますか。
(4)この他、自分で自由に設問してコメントをお寄せください。(つづく)