「下司(ゲス)」が「下種(ゲス)」を庇う安倍政権の惨状、安倍内閣は「下衆(ゲス)」の集団と化した、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その113)

 安倍内閣は4月24日、テレビ朝日女性記者へのセクハラ行為を重ねてきた福田財務次官に対し、処分保留のまま辞任を認めた。福田次官が辞任を申し出た理由は「職責を果たすのが困難」というもの、100パーセント(2万パーセントと言ってもいい)意味不明だ。財務省幹部も同様の態度で一貫している。野党6党のヒアリング調査で退職金の額を聞かれた某幹部は、「自己都合で辞めるのであれば単純に計算できる」と回答し、即座に5千万円余の金額を挙げた。彼らの発言の中には「セクハラ」の「セ」の字も出てこない。要するに、福田次官は「自己都合」で辞めたというのである。

聞くも恥ずかしい下劣な言葉が音声データとして明るみに出ているにもかかわらず、驚くのは福田氏自身が、この期に及んでなお「自分の声かどうか確認できない」「あんなひどい会話をした記憶はない」「全体をみれば、セクハラに該当しないのは分かるはず」など、セクハラ行為そのものを否定していることだ。その上、セクハラ行為を暴露した週刊誌に対して「(名誉棄損で)訴訟を起こす」とまで広言するのだから、これでは何とか「猛々しい」としか言いようがない。

さらに仰天するのは、麻生財務相が福田次官を一貫して庇い続けてきたことだ。セクハラ行為が発覚して以降の発言を辿ってみると、「(福田次官の処分は)訓戒で十分」「(セクハラの被害受けた)本人が申し出てこなければどうしようもない」「(加害者と言われている)福田の人権はなしっていうわけですか」「(セクハラが嫌なら)次官担当を男性記者に代えればいい」「(テレ朝からの抗議文は)もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいな」「週刊誌の報道だけでセクハラがあったと認定し、それで退職金を減額というのはいかがなものか。はめられて訴えられているのではないかといったいろいろなご意見もある」「本人が裁判で争うならば処分を判断するのは難しい」などなど、一貫して福田次官を擁護しているのだ。

 そして、その極め付きが4月24日の閣議決定だった。安倍首相は福田次官のセクハラ行為に関する野党の調査要求や罷免要求を一切無視し、処分を保留したまま福田次官の辞任を承認したのである。閣議決定は閣僚の全員一致を原則とする。つまり、安倍内閣の閣僚全員が(処分抜きの)福田次官の辞任を承認したのであり、閣議決定に署名した閣僚の中にはこれまで麻生財務相の対応に「違和感」を表明していた野田総務相も含まれる。女性の人権を踏みにじった閣議決定に署名した野田総務相(女性活躍担当相兼任)はこれからいったいどんな施策を推進するのだろう。女性の人権を守れない「女性活躍担当相」など、もうそれだけで「資格なし」と見放されるのではないか。

しかしながら、「女性総活躍社会」「女性が輝く社会」を掲げる安倍内閣が、政府高官のセクハラ行為一つすら処分しないまま事態の隠蔽と収束を計る――、こんな欺瞞に満ちた行為が世に許されるはずがない。安倍首相はことあるごとに「全力を挙げて膿を出し切る。行政の信頼回復に取り組む」などと強調するが、こんな三百代言をいったい誰が信じるというのか。言えば言うほど、国民の不信感と嫌悪感が高まるだけだ。

「ゲス」という言葉がある。通常は「ゲスの勘ぐり」とかいった意味で使われるが、念のため広辞苑で調べてみた。すると、そこには「下司」「下種」「下衆」の3種類の意味があることがわかった。言い得て妙な言葉ではないか。この3種の言葉を適用すると、安倍政権の本質はさしずめ次のように表現できるだろう。
―「下司(ゲス)」と化した麻生財務相が「下種(ゲス)」そのものの福田次官を庇う。そして、安倍内閣はこの事態を閣議決定で追認することによって文字通りの「下衆(ゲス)」の集団と化したのである―

安倍政権の窮状は、さすがの読売新聞も看過できないらしい。4月20〜22日に実施した読売世論調査では、内閣支持率がついに30%台に割り込み、支持率下落に歯止めがかからない状態に陥ったことを伝えている。一方、不支持率は前回3月調査から50%台に乗り、今回は53%に達した。読売紙が憂慮するのは、「男性の安倍離れ」なかでも「若年層の安倍離れ」だ。次のように言う(4月23日朝刊)。
「昨年8月以降、男性の支持はおおむね5割以上を保ってきたが、今回調査では44%となり、前回から7ポイント低下。男性の不支持率は第2次内閣以降で最高の50%(前回44%)に上昇し逆転した。男性の不支持が支持を上回ったケースの中では、今回の6ポイント差が最も大きい」
「年代別にみると、これまでは安倍内閣に批判的な人が多い高齢層で支持が低く、若年層で高い傾向が見られた。前回調査で40歳代と50歳代で不支持が支持を上回ったのに続き、今回は30歳代でも不支持が5割強、支持が4割弱と逆転した」
「昨年10月の衆院選以降、内閣支持率は自民支持率よりおおむね10%以上高い傾向が続いていたが、今回は内閣支持率39%、自民支持率37%で、その差は2ポイントまで縮まった」

読売新聞は、内閣支持続落の原因を「外交で浮揚 不発」に求めている。相次ぐ内政の失態で外交の成果が帳消しになったというのである。その根拠として読売紙は、安倍内閣が外交成果によってこれまで内閣支持率アップに成功してきたことを挙げている。2016年12月、安倍首相がオバマ大統領と真珠湾を訪問した時は支持率63%(+4)、17年2月にトランプ大統領と初の首脳会談を行った時は支持率66%(+5)だった。だが、柳の下にはいつまでもドジョウはいない。今回18年4月のトランプ大統領との首脳会談では支持率39%(−3)となり、これまでの経験則が通じなくなった。これも安倍政権が直面する新しい政治局面だろう。
下司(ゲス)」が「下種(ゲス)」を庇い、それを追認する「下衆(ゲス)」の集団は消えるしかない―、おそらくお天道様はそう引導を言い渡されるのではないか。(つづく)