大阪ダブル選挙の分析

「脱原発=電力自由化」は次期総選挙のシングル・イッシュ―(単独争点)になりうるか、「橋下新党と政界再編の行方(4)」、(大阪ダブル選挙の分析、その19)

前回の日記で、私は「橋下新党」のかかえるジレンマの1つとして、国政選挙に不可欠な政策の独自性において、橋下新党が既成保守政党と政策の差別化ができない矛盾を挙げた。消費税増税、TPP参加、沖縄米軍基地存続、憲法改悪など国政の基本政策のどれひとつ…

膠着状態に入った「橋下新党」のジレンマ、「橋下新党と政界再編の行方(3)」、(大阪ダブル選挙の分析、その18)

このところ、政界再編の動きが鈍っている。というよりは、“膠着状態”に入ったという方が正しいのかもしれない。野田首相と谷垣自民党総裁との秘密会談に続いて、岡田氏が自民党幹部に接触して大連立を持ちかけたというが、民主・自民の双方からその動きを打…

「橋下新党」は保守大連立の“触媒”に終わるか、「橋下新党と政界再編の行方(2)」、(大阪ダブル選挙の分析、その17)

京都ジャーナリスト9条の会での議論の流れは、その後の交流会の雑談も含めておよそ次のようなものだった。まず「橋下新党」が(私が言うほど)簡単に国政進出できるとは思わないとの空気が結構強かった。その理由は2つで、ひとつは候補者の「タマ」の問題…

京都ジャーナリスト9条の会で話題になったこと、「橋下新党と政界再編の行方(1)」について、(大阪ダブル選挙の分析、その16)

日頃、「ハシズム」のことで日記を書いているから所為か、ある日「京都ジャーナリスト9条の会」の幹事の方から、表記のようなタイトルで「一度話題提供してみないか」とのお誘いを受けた。政治ジャーナリストでも政治学者でもない私が「そんな大それた話な…

いまこそ「反ハシズム、ユナイテッド・オ―サカ」を結成して、“大阪ダブルリコール運動”の準備をするときが来た、(大阪ダブル選挙の分析、その15)

2月27日の月曜日、私は大阪で昼夜連続2つの会議をハシゴすることになった。ひとつは昼間の都市計画関係学会の学術シンポジウム、もうひとつは「おおさか社会フォーラム」が主催した『公教育と公務員労組の解体と闘うウイスコンシンからの報告』に関する…

恥ずかしくないか、橋下市長に媚びる大手紙論説の不見識、(大阪ダブル選挙の分析、その14)

前回の日記で、マスメディアが橋下市長・大阪維新の会を「改革者」に仕立てる理由を3点挙げた。(1)「橋下新党」を「改革者」に仕立てることで、民主・自民両党に裏切られた国民の怒りをガス抜きし、世論の支持が革新政党に向かうのを阻止すること、(2…

国民の権利の「破壊者」を国政の「改革者」に仕立てるマスメディアの意図と役割、(大阪ダブル選挙の分析、その13)

前回の日記に対して、「ますますひどくなってますね」氏(以下、コメント氏と呼ぶ)から3回にわたって長文のコメントをいただいた。氏の指摘には首肯できる部分が多く、とくに「橋下市長を支持している人たちは、政治家として支持しているのではなくて、テ…

“特高尋問調書”を想起させる大阪市職員アンケート、(大阪ダブル選挙の分析、その12)

最近、大阪市に勤務する知人から「労使関係に関する職員アンケート」(所属長への依頼文、市長メッセージを含めてA4版12頁)が送られてきた。いま話題の橋下市長による職員アンケートの現物コピーだ。しかし一読して感じた印象は、これはアンケートとい…

石原新党の狙いは保守大連立政権樹立への導火線と起爆剤を仕掛けることにある、(大阪ダブル選挙の分析、その11)

本当かウソかは知らないが、12月3日の産経新聞は、石原新党の基本政策(草案)の概要を報じた。極右政党の機関紙を目指している産経新聞のことだから、「好機至れり」として“誇大宣伝”に打って出たのかもしれない。 しかしそれにしても、その内容たるや「…

大阪維新の会に群がるシロアリが“軍隊アリ”に変身する日(1)、(大阪ダブル選挙の分析、その10)

1月27日の石原知事の定例記者会見以来、国政レベルでも民主・自民2大政党の機能不全状態を“右から”打開しようとする第3極・「石原(極右)新党」をめぐる策動が一段と加速してきた。石原氏はこの日、国民新党の亀井代表が昨年末から仕掛けていた新党構…

大阪維新の会の国政進出の舞台裏を分析する(1)、(大阪ダブル選挙の分析、その9)

巷間伝えられる大阪維新の会の国政進出については、私などはハシズム一流の誇大宣伝(デマゴギー)と脅かし(ブラウ)の一種かと思っていた。ところが最近になって、維新の会が次期衆院選に進出するとかいった観測記事が一斉に流れ始めたのには驚いた。1月…

ハシズムを増長させる「政治討論番組」、(大阪ダブル選挙の分析、その8)

大阪ダブル選挙から2カ月近く経過し、このところ松井知事と橋下市長の過激な言動にはますます磨きがかかってきた。内容を吟味すれば、「憲法無視・法律違反の連発シリーズ」といったところだが、マスメディアがまともな批判をしないのでまるで言いたい放題…

橋下市長にひれ伏す大阪市労連委員長の卑屈さと惨めさ、(大阪ダブル選挙の分析、その7)

新春早々(1月4日)、朝日新聞の夕刊写真を見て驚いた。大阪市労働組合連合会(市労連)の中村委員長が、傲然として突っ立っている橋下市長の前で床に頭を擦り付けんばかりに最敬礼をしているではないか。「平身低頭」とはまさにこのことだろう。まるで“絶対…

橋下市長のファッショ的言動に見る「壊し屋」と「トリックスター」の本性(2)、(大阪ダブル選挙の分析、その6)

目下、マスメディアの目は、橋下市長による大阪市役所の“解体手術”と大阪維新の会の国政進出に集中しているかのようにみえる。過日の橋下移動劇場の“東京公演”では、橋下市長がどれだけ多くの政府や政党の要人と面会するかということ(だけ)がマスメディア…

橋下市長のファッショ的言動に見る「壊し屋」と「トリックスター」の本性(1)、(大阪ダブル選挙の分析、その5)

12月19日から丸3日間、橋下氏は市役所を空っぽにして永田町と霞が関を駆け回った。まるで「大名行列」よろしく200人近い報道陣を引き連れ、政党幹部や各省大臣との面会シーンに露出することに専念した。面会場所を「即席スタジオ」に見立てての “橋…

大阪維新の会は国政選挙に進出するか、できるか、(大阪ダブル選挙の分析、その4)

12月19日正午、北朝鮮の金正日総書記の死亡が例の女性アナウンサーによって朝鮮中央放送から発表された。イミョンバク韓国大統領と野田首相の日韓首脳会談が京都で終わった直後の出来事で、両氏とも事前にこの情報を把握していなかったらしい。少しでも…

橋下市政の最大課題は同和行政(解同問題)の刷新だ、(大阪ダブル選挙の分析、その3)

12月19日の橋下新市長の登庁日を控えて、目下、大阪維新の会は「絶好調」のように見える。すでに橋下氏による大阪市役所幹部からの「聴き取り」(というよりは要求・注文)は終わり、年内立ち上げ予定の府市統合本部の陣容も決まって、維新の会は実質的…

見せかけの“パンとサーカスの政治”のリアクションが怖い、ハシズムを「一過性ブーム」に終らせたい財界と既成政党の思惑、(大阪ダブル選挙の分析、その2)

大阪財界が今回の選挙結果を手放しで歓迎していないのは、盟主格の関西電力が橋下氏の「脱原発依存」の公約を警戒していることもあるが(関電は平松陣営の中核勢力の一員だった)、それ以上に「何をしでかすかわからない」ハシズムに一抹の不安感を抱いてい…

既成政党への深い絶望感がとにかく“変化”を求めた、「大阪ダブル選挙」の分析(1)、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その8)

大阪ダブル選挙が終わった。昨夜は勝敗の帰趨や如何にと勢い込んで開票結果を待っていたが、開票前からNHKの出口調査で早くも「当確」が出たのには驚いた。というよりは、がっかりしたと言った方が正確かもしれない。だが選挙結果が出ることには出たのだ…

「大阪維新の会ブーム」は終わった、大阪ダブル選挙の終盤戦を分析する、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その7)

大阪ダブル選挙はいよいよ終盤戦を迎えた。本来ならば、市長・知事選の当落予想も含めて選挙後の大阪の変化や全国への影響を語るべきだろうが、残念ながら私にはそれを分析し切るだけの材料や情報がない。それほど選挙情勢が日々刻々と変化しており、私の情…

渡司共産党候補の撤退で「大阪ダブル選挙」はどうなる、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その6)

前回の日記に対して、H.KAWAI氏(以下、K氏という)から貴重なコメントをいただいた。K氏からは、これまでも折々示唆に富むコメントをいただきながら、レスポンスできなかったことを改めてお詫びしたい。しかし、今回のK氏のコメントは、「大阪ダ…

大阪の(旧)中間層府民・市民が変わり始めた、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その5)

11月14日からいよいよ「大阪ダブル選挙」が始まった。27日の投票日まで僅か2週間の短期決戦だ。この短い選挙期間で(ここ当分の)大阪の運命が決まると思うと、私ならずとも大概の人はゾッとするような身震いを覚えるのではないか。何をしでかすかわ…

渡司共産党推薦候補の撤退、ハシズム包囲網の新戦術(1)、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その4)

今回の大阪ダブル選挙では次から次へと新しい事態が生まれるので、橋下氏の政策分析をじっくり書くことができない。でも11月5日の共産党推薦候補・渡司氏の立候補撤退会見は、「ハシズム包囲網」の新戦術を示すものとしてきわめて注目される。これで橋下…

大阪ダブル選挙の争点を逸らす朝日世論調査(1)、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その3)

過去の選挙公約を一切反故(ほご)にして、次から次へと目先の新しい政策を打ち出し、有権者に選挙公約の意味を考える機会を与えない。そして「目くらまし選挙」に打って出るというのが橋下氏(ハシズム)の常とう手段だと、この前の日記で書いたばかりだ。…

追い詰められる“マッド橋下”、橋下主義(ハシズム=ファッシズム)は終焉のときを迎えた(その2)

橋下氏の大阪市長選出馬表明から数日経た現在、橋下氏の選挙戦術が大体どのような形で展開されるのかがわかってきた。同時に、橋下氏の形相からも「相当追い詰められている」いや「死に物狂いになっている」ことが読み取れる。それは一言で言って、“マッド橋…

閑話休題、万策尽きた“大阪府市同時ダブル選挙”、橋下主義(ファッシズム=ハシズム)は終焉のときを迎えた(その1)

橋下大阪府知事は、10月22日未明、来年2月までの任期満了を待たず10月末で知事を辞職し、来月の大阪市長選挙に出馬することを宣言した。橋下氏は、辞職に同意した府議会本会議で「大阪の統治機構のあり方、大阪府市のあり方をなんとかしなければ大阪の未来は…