2009-01-01から1年間の記事一覧

都議選と小泉郵政選挙に共通するもの、無党派層の実体、(麻生辞任解散劇、その19)

12日の東京都議会議員選挙の結果には、ただただ驚くばかりだ。いや「呆れた」といった方がよいかもしれない。小泉郵政選挙のときの「サプライズ現象」とそっくりだ。政治の変わり目の節々にあらわれる「無党派現象」あるいは「浮動票現象」のもたらす「突然…

右往左往する子ネズミたちの政治的役割、(麻生辞任解散劇、その18)

自民党の泥船化が一路進む中で、自民党議員はもとより地方自治体首長の動きも活発化している。いわば泥船が沈没する前に、どこの船に乗り換えようかと右往左往しているのである。なかでもお笑い芸人やテレビタレント出身の首長の動きが目立つ。「いよいよ自…

世襲議員とお笑い芸人が自民党を滅ぼす、(麻生辞任解散劇、その17)

麻生首相が鳩山総務相を更迭して以来、解散・総選挙をめぐる自民党内の動きが一段と激しくなってきた。麻生首相の求心力が衰えるにしたがって、もはや各派グループの勝手な行動を止められなくなってきたからだ。なかでも目を引くのが、古賀選挙対策委員長の…

民主党が抱える“郵政不正爆弾”、(麻生辞任解散劇、その16)

鳩山総務相の更迭以来、麻生内閣の支持率は再び「危険水域」にまでに急落した。「危険水域」どころではなくて、もはや「浸水水域」に入ったと書いている新聞まである。かっては支持率が30%を割れば「危険水域」だといわれていたのだが、最近はあまりにも…

鳩山兄弟の意図、政策転換なき政権交代の構図、(麻生辞任解散劇、その15)

鳩山兄弟の言動が政界の注目を集めている。「2羽の鳩が麻生首相を襲っている」とは、先日の兄の方の発言だった。かたや民主党の代表、もう一方は自民党麻生内閣の現職閣僚だというのに、与野党間の違いなどまるで気にしていない発言だ。兄弟といえども思想…

嵐の前の曇天、(麻生辞任解散劇、その14)

6月を迎えた。連日抜けるような青空と目に染みる緑に恵まれ、爽やかな日が続いている。学校の生徒の姿も衣替えで、清々しい感じになった。それに新型インフルエンザも下火になりつつあるようで、道行く人々の表情も心なしかゆとりが出てきたように思える。 …

新型インフルエンザ騒動記、(麻生辞任解散劇、その13)

京都の大学の全学休校は今日で終わる。この1週間、何回か大学に行ってみたが、普段は学生で溢れているキャンパスが閑散としていた。受付の女性に聞くと、先生方は会議とかで来るが、学生の姿は全く見かけないという。私の研究室は、法科大学院の学生たちが…

笛吹けど踊らぬ国民、茶番劇を見抜かれた民主党代表選挙、(麻生解散辞任劇、その12)

この1週間ほどのマスメディアでは、民主党代表選挙関連のニュースばかりが垂れ流しに垂れ流されてきた。他のニュースを見たいと思っても、出てくるのは同じ顔触ればかりで退屈極まりない。それに登場人物が言うことも同じで、「政権交代」、「政権交代」の…

「身を捨てない」ために、代表辞任を選んだ小沢代表の思惑、(麻生辞任解散劇、その11)

昨日たまたま自宅にいたので、民主党小沢代表の辞任表明会見をテレビで見た。辞任の趣旨は、「政権交代を実現するためには、民主党が挙党一致しなければならない」、「挙党一致するためには、自分が一身を擲って(なげうって)身を引くことが必要だ」、「こ…

トヨタのために日本はあるの、麻生内閣が仕組んだゴールデンウィーク狂騒曲、(麻生辞任解散劇、その10)

今日で4月末から続いた長いゴールデンウィークも終わる。今年は好天にも恵まれ、全国各地では空前の賑わいだったという。また史上最長・最悪の交通渋滞が発生したとも言われている。その背後には「ETC車なら1000円」という、高速自動車通行料減額の…

京都府大グループの山岳遭難事故を悼む

晴天続きのゴールデンウィークの最中に、よもやこんな悲しい日記を書くなんて思わなかった。北アルプスで遭難した京都府大グループの痛ましい山岳事故のことだ。今朝の報道によると、教員1人、院生・学生2人、計3人のグループ全員の遺体が発見されたのだと…

国民を馬鹿にしてはいけない、小沢代表の地方遊説再スタート、(麻生辞任解散劇、その9)

民主党の小沢代表が、昨日から地方遊説を再開したという。公設秘書逮捕の「ほとぼり」がそろそろさめてきた頃だと判断したからであろうか。それともこのまま「沈黙」を決め込んでいたら、自分の代表としての政治基盤が危うくなると懸念したからであろうか。 …

未曾有の「新しい経済危機」は「古い手法」では乗り切れない、(麻生辞任解散劇、その8)

今日の各紙の経済面は、麻生内閣の「追加経済対策特集」一色だ。15兆円を超える「真水」事業費は、補正予算では過去最大の規模となり、その財源は「10兆円を超える国債の追加発行」でまかなわれることになっている。当初予算の新規国債発行額が33兆円…

民主党の蜥蜴の尻尾切り、(麻生辞任解散劇、その7)

民主党にとって、小沢氏はどうやら「蜥蜴(とかげ)の尻尾切り」の対象になってしまったようだ。保守2大政党制を維持して何とか目下の政治危機を乗り切りたい財界やマスメディアにとっては、もはや小沢氏は次期政権の首班としてではなく、民主党から一刻も…

橋下の挫折、小沢の居直り、(麻生辞任解散劇、その6)

昨日は日本がWBCに勝って日本中が大いに沸いたが、そうでなければマスメディアのトップニュースになるような政治的大事件が2件も相次いだ日だった。ひとつは大阪府庁のWTC移転条例案と移転予算案の否決、もうひとつは小沢公設秘書の起訴である。 今日…

京都ジャーナリスト9条の会、発足の集いに参加して、(麻生解散辞任劇、その5)

こんなに真摯で言動が一致したジャーナリストがいまどきいるのか、と身体が震えるほど感動した1日だった。3月14日の「京都ジャーナリスト9条の会」の発足の集いに参加して、長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長)の記念講演を聞いてのことだ。 私…

もういい加減に「2大政党キャンペーン」は止めませんか、(麻生辞任解散劇、その4)

民主党小沢代表の公設秘書の逮捕以来、政界は連日蜂の巣を突いたような大騒ぎになっている。「ハチが刺した程度」といったのは、サブプライムローン問題の日本経済への影響を聞かれたときの与謝野大臣の発言だったが、今回の小沢騒動は、まさに政界の「ハチ…

麻生迷走・橋下暴走の二重奏、(麻生辞任解散劇、その3)

「麻生機」が散々ダッチロール(迷走飛行)を続けた挙句、もはや推進力を失っているにもかかわらず、なお不時着しようとしない。いや、「不時着できない」と言った方が正確だろう。不時着をすれば、機長が迷走飛行の責任を問われて、「降ろされる」ことが確…

自公政権崩壊は一気にくる、(麻生辞任解散劇、その2)

このところ、マスメディアでは「麻生政権はいつ倒れるか」という話題で持ち切りだ。これほど世論の方向が一致しているときに、自分もその尻馬に乗って同じようなことを書くのは何となく気が引ける。ひょっとすると、怒涛のような「麻生退陣コール」の裏にも…

竹中平蔵君、僕は間違えた、(閑話休題、その5)

ふだん『文芸春秋』はあまり読まないが、しかし芥川賞受賞作品が掲載される特別号だけはほぼ毎年読んでいる。「小説音痴」の私にとって、目下注目されている作品を知る上での数少ない機会だからだ。今年も2009年3月特別号には、芥川賞受賞作品が全文掲…

『黒田達雄建築作品集』に想う、そして神戸、(閑話休題、その4)

季節の分け目の「節分」が終わったせいか、このところ陽ざしの眩しさを感じる。近所の植木屋さんの苗圃からは、例年のように蝋梅のかすかな芳香が漂うようになった。それに紅白梅の小枝の蕾が日に日に膨らんでいくのを見ると、春の訪れが間近に迫っているよ…

『橋下「大阪改革」の正体』(講談社)をベストセラーに、(閑話休題、その3)

橋下大阪府知事が就任してから間もなく1年目を迎える。最近の新聞・テレビなどの世論調査では支持率が軒並み70%前後、なかには80%を超えるものもあるという。まさか「テレビ芸人」と「知事」の見分けがつかないからではないだろうが、やっていることは…

阪神・淡路大震災ウィークを終わって、(閑話休題、その2)

オバマ米大統領の就任式に関するニュースが、いま大洪水のように世界中に溢れ返っている。それだけのニュース価値がある超大イベントだから当然と言えば当然と言えようが、しかし率直に言って、今の私にはこの出来事を世界情勢の中でどのように位置付けてい…

ノーベル賞受賞者の群像、(閑話休題、その1)

この間、「大きな物語」ばかりを追っかけてきた。ふと気が付くと、身辺には面白くて大事なことがいっぱい起こっているというのに、ほとんど何も書いていない。それほど時代が風雲急を告げているということでもあるが、でも同じテーマばかりを書き続けている…

「年越し派遣村」がこじ開けた風穴、(麻生辞任解散劇第1部、その1)

今日は、2009年の新年が明けてからの最初の日記だ。例年なら清々しい気分で「新春の抱負」などを書く気持ちになるのだが、今年はとてもそんな気にはなれない。経済が大激変して社会が悲鳴を上げているというのに、政治がまったくの機能停止状態で日本の…