麻生辞任解散劇

グータラ政権、グータラ政党の退場、(麻生辞任解散劇、最終回)

今年の1月7日に「麻生辞任解散劇シリーズ」を書きはじめてから、今日で私の「麻生日記」もようやく最終回を迎える。正直言って、当初はこんな長いシリーズになるとは夢にも考えていなかった。麻生政権は総選挙のための単なる「ピンチヒッター」にすぎない…

自民党総裁選挙迷走劇の本質は政策難、(麻生辞任解散劇、その29)

いまマスメディア空間は、16日の国会首班指名を直前にして「鳩山一色」で塗りつぶされている。政権交代が実現して新しい内閣が誕生するのだから、世間の注目が集まるのは当然だ。新聞辞令では、京都からも少なくない民主党議員の名前が取りざたされている…

小選挙区制の劇薬効果に驚愕した21世紀臨調、(麻生辞任解散劇、その28)

民主党への「政権交代」が実現した総選挙結果について、いまなお各方面からの洪水のような論評が連日続いている。一体誰の論評を参考にしてよいか、迷われる読者の方々も多いことだろう。私とてその中のひとりであることには間違いないが、9月3日に「緊急…

自民党は地域(ローカル)政党としてしか生き残れない、(麻生辞任解散劇、その27)

選挙結果が判明してから3日経った。投票日直前の日記で、私は「今回の総選挙が歴史的な転換点の前兆であることは変わりない。一刻も早く、そして徹底的に自公政権の息の根を止めたいものである。」と期待した。だが、これほどの自民党の惨敗ぶりは予想でき…

気まぐれ台風か、地殻変動か、投票日直前にして考える、(麻生辞任解散劇、その26)

この1週間余り、今回の総選挙をどのような角度から視るかで迷いに迷ってきた。新聞の各種の世論調査から受ける「民主党の圧勝」、そして「政権交代」といった劇的な政変予想に比べて、自分の気持ちや周辺の空気との余りの落差に戸惑いを隠せなかったからだ…

長丁場の選挙期間がもたらすもの、政策論議か選挙疲れか、(麻生辞任解散劇、その25)

今回の総選挙は、何から何まで前回の小泉郵政選挙とは対照的だ。小泉選挙は、郵政民営化法案を参議院で否決されて、いきなり衆議院を解散し、あとは「刺客騒動」を舞台にして華々しく劇場型選挙を展開するという経過をたどった。この間のテレビ報道を中心と…

「憲法92条の会」を結成しよう、道州制反対の国民運動を、(麻生辞任解散劇、その24)

今回の総選挙での最も危険な動向は、自民・公明・民主の3党がそろって打ち出している「比例代表制議員定数の削減」と「道州制の導入」だ。いまマスメディアは、目先の政策それも選挙目当てのバラマキメニューについて国民の目を集中させようとしているが、…

政権交代予想と期待感のギャップ、選挙報道はマニフェストだけでいいのか、(麻生辞任解散劇、その23)

先日、あるノンフィクション作家の毎日新聞のコラムが目にとまった。各種の世論調査では政権交代必至の数字が続出しているというのに、なぜかいっこうに「ワクワクする気持ち」が起こらないというのである。そういえば、オバマ候補が「チエンジ!」を掲げて…

民主党マニフェストをどうみるか、保守専制体制への布石、(麻生辞任解散劇、その22)

今日の各紙は、民主党マニフェスト一色だ。まるで「民主党特集号」だといってよい。総選挙が1カ月後に迫っているのだから、これだけ全国紙が挙って取り上げるとなると、その宣伝効果たるや計り知れない。昨日の記者発表の会場でも500人近い報道陣が集ま…

東京都議選にみる公明党の危機、寄生生物の末路、(麻生辞任解散劇、その21)

今日21日で衆議院が解散され、8月30日の投票日に向けていよいよ総選挙の火蓋が切られることになった。各種の世論調査では民主党の優勢が伝えられ、早くも「政権交代」を前提にした各種の観測記事が飛び交っている。しかし不思議なことに、自公連立政権の…

東国原宮崎県知事は即刻辞任すべきだ、(麻生辞任解散劇、その20)

東国原宮崎県知事が自民党から総選挙に出馬することを断念したという。というよりは、自民党内部はもとより、国民世論から「総スカン」を食らって出られなくなったというのが本当のところだろう。やはり、「柳の下に2匹目のドジョウ」はいなかったのだ。 本…

都議選と小泉郵政選挙に共通するもの、無党派層の実体、(麻生辞任解散劇、その19)

12日の東京都議会議員選挙の結果には、ただただ驚くばかりだ。いや「呆れた」といった方がよいかもしれない。小泉郵政選挙のときの「サプライズ現象」とそっくりだ。政治の変わり目の節々にあらわれる「無党派現象」あるいは「浮動票現象」のもたらす「突然…

右往左往する子ネズミたちの政治的役割、(麻生辞任解散劇、その18)

自民党の泥船化が一路進む中で、自民党議員はもとより地方自治体首長の動きも活発化している。いわば泥船が沈没する前に、どこの船に乗り換えようかと右往左往しているのである。なかでもお笑い芸人やテレビタレント出身の首長の動きが目立つ。「いよいよ自…

世襲議員とお笑い芸人が自民党を滅ぼす、(麻生辞任解散劇、その17)

麻生首相が鳩山総務相を更迭して以来、解散・総選挙をめぐる自民党内の動きが一段と激しくなってきた。麻生首相の求心力が衰えるにしたがって、もはや各派グループの勝手な行動を止められなくなってきたからだ。なかでも目を引くのが、古賀選挙対策委員長の…

民主党が抱える“郵政不正爆弾”、(麻生辞任解散劇、その16)

鳩山総務相の更迭以来、麻生内閣の支持率は再び「危険水域」にまでに急落した。「危険水域」どころではなくて、もはや「浸水水域」に入ったと書いている新聞まである。かっては支持率が30%を割れば「危険水域」だといわれていたのだが、最近はあまりにも…

鳩山兄弟の意図、政策転換なき政権交代の構図、(麻生辞任解散劇、その15)

鳩山兄弟の言動が政界の注目を集めている。「2羽の鳩が麻生首相を襲っている」とは、先日の兄の方の発言だった。かたや民主党の代表、もう一方は自民党麻生内閣の現職閣僚だというのに、与野党間の違いなどまるで気にしていない発言だ。兄弟といえども思想…

嵐の前の曇天、(麻生辞任解散劇、その14)

6月を迎えた。連日抜けるような青空と目に染みる緑に恵まれ、爽やかな日が続いている。学校の生徒の姿も衣替えで、清々しい感じになった。それに新型インフルエンザも下火になりつつあるようで、道行く人々の表情も心なしかゆとりが出てきたように思える。 …

新型インフルエンザ騒動記、(麻生辞任解散劇、その13)

京都の大学の全学休校は今日で終わる。この1週間、何回か大学に行ってみたが、普段は学生で溢れているキャンパスが閑散としていた。受付の女性に聞くと、先生方は会議とかで来るが、学生の姿は全く見かけないという。私の研究室は、法科大学院の学生たちが…

笛吹けど踊らぬ国民、茶番劇を見抜かれた民主党代表選挙、(麻生解散辞任劇、その12)

この1週間ほどのマスメディアでは、民主党代表選挙関連のニュースばかりが垂れ流しに垂れ流されてきた。他のニュースを見たいと思っても、出てくるのは同じ顔触ればかりで退屈極まりない。それに登場人物が言うことも同じで、「政権交代」、「政権交代」の…

「身を捨てない」ために、代表辞任を選んだ小沢代表の思惑、(麻生辞任解散劇、その11)

昨日たまたま自宅にいたので、民主党小沢代表の辞任表明会見をテレビで見た。辞任の趣旨は、「政権交代を実現するためには、民主党が挙党一致しなければならない」、「挙党一致するためには、自分が一身を擲って(なげうって)身を引くことが必要だ」、「こ…

トヨタのために日本はあるの、麻生内閣が仕組んだゴールデンウィーク狂騒曲、(麻生辞任解散劇、その10)

今日で4月末から続いた長いゴールデンウィークも終わる。今年は好天にも恵まれ、全国各地では空前の賑わいだったという。また史上最長・最悪の交通渋滞が発生したとも言われている。その背後には「ETC車なら1000円」という、高速自動車通行料減額の…

国民を馬鹿にしてはいけない、小沢代表の地方遊説再スタート、(麻生辞任解散劇、その9)

民主党の小沢代表が、昨日から地方遊説を再開したという。公設秘書逮捕の「ほとぼり」がそろそろさめてきた頃だと判断したからであろうか。それともこのまま「沈黙」を決め込んでいたら、自分の代表としての政治基盤が危うくなると懸念したからであろうか。 …

未曾有の「新しい経済危機」は「古い手法」では乗り切れない、(麻生辞任解散劇、その8)

今日の各紙の経済面は、麻生内閣の「追加経済対策特集」一色だ。15兆円を超える「真水」事業費は、補正予算では過去最大の規模となり、その財源は「10兆円を超える国債の追加発行」でまかなわれることになっている。当初予算の新規国債発行額が33兆円…

民主党の蜥蜴の尻尾切り、(麻生辞任解散劇、その7)

民主党にとって、小沢氏はどうやら「蜥蜴(とかげ)の尻尾切り」の対象になってしまったようだ。保守2大政党制を維持して何とか目下の政治危機を乗り切りたい財界やマスメディアにとっては、もはや小沢氏は次期政権の首班としてではなく、民主党から一刻も…

橋下の挫折、小沢の居直り、(麻生辞任解散劇、その6)

昨日は日本がWBCに勝って日本中が大いに沸いたが、そうでなければマスメディアのトップニュースになるような政治的大事件が2件も相次いだ日だった。ひとつは大阪府庁のWTC移転条例案と移転予算案の否決、もうひとつは小沢公設秘書の起訴である。 今日…

京都ジャーナリスト9条の会、発足の集いに参加して、(麻生解散辞任劇、その5)

こんなに真摯で言動が一致したジャーナリストがいまどきいるのか、と身体が震えるほど感動した1日だった。3月14日の「京都ジャーナリスト9条の会」の発足の集いに参加して、長谷川千秋氏(元朝日新聞大阪本社編集局長)の記念講演を聞いてのことだ。 私…

もういい加減に「2大政党キャンペーン」は止めませんか、(麻生辞任解散劇、その4)

民主党小沢代表の公設秘書の逮捕以来、政界は連日蜂の巣を突いたような大騒ぎになっている。「ハチが刺した程度」といったのは、サブプライムローン問題の日本経済への影響を聞かれたときの与謝野大臣の発言だったが、今回の小沢騒動は、まさに政界の「ハチ…

麻生迷走・橋下暴走の二重奏、(麻生辞任解散劇、その3)

「麻生機」が散々ダッチロール(迷走飛行)を続けた挙句、もはや推進力を失っているにもかかわらず、なお不時着しようとしない。いや、「不時着できない」と言った方が正確だろう。不時着をすれば、機長が迷走飛行の責任を問われて、「降ろされる」ことが確…

自公政権崩壊は一気にくる、(麻生辞任解散劇、その2)

このところ、マスメディアでは「麻生政権はいつ倒れるか」という話題で持ち切りだ。これほど世論の方向が一致しているときに、自分もその尻馬に乗って同じようなことを書くのは何となく気が引ける。ひょっとすると、怒涛のような「麻生退陣コール」の裏にも…

「年越し派遣村」がこじ開けた風穴、(麻生辞任解散劇第1部、その1)

今日は、2009年の新年が明けてからの最初の日記だ。例年なら清々しい気分で「新春の抱負」などを書く気持ちになるのだが、今年はとてもそんな気にはなれない。経済が大激変して社会が悲鳴を上げているというのに、政治がまったくの機能停止状態で日本の…