墓穴を掘り始めた菅政権、学術会議人事介入への責任回避のために弄した言い訳が裏目に、菅内閣と野党共闘の行方(3)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その228)

10月11日(日)、朝7時のNHKニュースを観て驚いた。NHKが菅政権の日本学術会議への人事介入問題について初めて真面(まとも)な報道をしたのである。これまでは政府側の言い分を長々と述べ、最後に反対意見を申し訳程度に付け加えるだけだった。「ご飯…

獰猛な〝思想統制〟の牙を剝いたたたき上げ菅政権、日本学術会議への乱暴な人事介入は学問の自由(憲法第23条)を否定する、菅内閣と野党共闘の行方(2)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その227)

計算し尽くされたイメージ戦略で「地方出身、たたき上げの苦労人」「庶民の気持ちがわかる政治家」との評判を打ち立てたかに見える菅首相が、最初に剝いた獰猛な牙が日本学術会議への〝蛮行〟とも言える乱暴な人事介入だった。この1件で「国家観がない」な…

菅政権からは日本学術会議への乱暴な人事介入案件を突き付けられ、学内では退任会見一つすら開けない山極総長の惨めな最後、山極壽一京大総長の虚像と実像(その6、最終版)

山極氏は、2020年9月30日の京大総長退任に際して次のような所感を述べている(京都大学HP)。 「私が総長になってまず立てた方針は、『ボトムアップ型でいく』ということでした。自ら先頭で旗を振って人を引っ張るのではなく、私が掲げる理念に基づいていろ…

影も形も感じられない合流新党・立憲民主党の存在感、このままでは次期総選挙で野党は惨敗する、菅内閣と野党共闘の行方(1)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その226)

菅官房長官が首相に就任したのは9月16日、メディア各社ではこの日と翌日の両日にかけて緊急世論調査が実施された。その結果が18日に報じられたが、各社とも60~70%台の高支持率を記録しており、菅内閣の支持率の高さには驚くばかりだ。この件について何人か…

まるで〝土光臨調答申〟を思わせる菅官房長官の社会像、時代の変わり目にも歴史の転換期にも無関心な人物に国政は任せられない、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(48)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その225)

日本記者クラブ主催の自民党総裁選討論会(9月13日)に関する各紙の特集記事を丹念に読んだ。翌14日のNHK日曜討論会も熱心に観た。そして、最有力候補だとされる菅官房長官の発言に心底幻滅した。この人物は、安倍首相が政権を投げ出した原因についても、…

人口減少対策は放置する、行革リストラはやる、消費税は上げる―、言いたい放題の菅官房長官、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(47)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その224)

前回に引き続き、新聞世論調査に見る菅官房長官の「虚像」と「実像」のギャップについて述べたい。毎日新聞調査(9月8日実施)と共同通信調査(9月8、9両日実施)の結果についてである。 【毎日新聞】 〇安倍内閣を支持しますか。「支持する」50%(前回34%…

安倍政権、病気を理由にした引退劇の演出で「負の遺産」をチャラに、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(46)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その223)

安倍首相の辞任後、各社の世論調査で内閣支持率が軒並み上昇していることに驚いている。共同通信(8月29、30日実施)の内閣支持率は56.9%、僅か1週間前調査(8月22、23日実施)の36.0%から20.9ポイント急上昇した。読売新聞(9月4~6日実施)も52%と前回…

首相辞任会見の一問一答にあらわれた安倍政治の本質、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(45)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その222)

朝日、毎日両紙は、総力を挙げた紙面構成となっている。拙ブログのような小論ではとても紹介できるものではないが、それでも印象程度のことは記しておかなければならない。安倍政治に象徴されるような世襲政治および政党政治の劣化に関する本格的な論評は、…

世襲政治と政党劣化の産物だった安倍長期政権がコロナ危機によって遂に命運を断たれた、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(44)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その221)

長期政権の行き詰まりと体調悪化とかで、この間、辞任の噂が駆け巡っていた安倍首相が8月28日、遂に辞任を表明した。安倍首相は、記者会見で新型コロナ対策に今後万全の措置を講じたこと、そして持病悪化を辞任の理由に挙げた。だが、コロナ対策の方は本来取…

立憲民主・国民民主の合流新党に「期待しない」68%、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(43)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その220)

立憲民主と国民民主が解党し、合流新党を結成することが8月19日決まった。国民民主の両議員総会で合流新党への参加が圧倒的多数で決まり、あくまでも「分党」に固執する玉木代表は孤立した。それにしても玉木代表の行動はわかりにくい。というよりは、立憲民…

安倍政権の要職、官房長官と幹事長が連携して次期政権抗争の先陣を切る構え、立憲民主・国民民主の合流新党は国民の期待に応えられるか、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(42)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その219)

安倍政権の要職にある菅官房長官と二階自民党幹事長が安倍政権に見切りをつけて連携し、先陣を切って次期政権抗争に乗り出した。時事通信は8月15日、「二階、菅氏の接近鮮明=自民総裁選で連携か」との最新ニュースを次のように伝えている。 「自民党の二階…

退陣するしかない安倍政権の末期症状、立憲民主・国民民主の合流新党は国民の期待に応えられるか、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(41)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その218)

暫らく膠着状態にあった国民民主と立憲民主の合流話が、最近になって急に動き出した。内閣支持率が第2次安倍内閣発足以来最低レベルに落ち込む中で、安倍首相の体調が優れないこともあって、「解散間近し」との噂が国会を駆け巡っているからだ。 それにして…

学校教育法の一部改正で副学長の職務・権限が強化され、大学自治の基盤である教授会権限が剥奪された、京大執行部体制においては総長イニシアティブの空洞化が一路進んだ、山極壽一京大総長の虚像と実像(その5)

文科省大学振興課長の寄稿論文、「大学のガバナンス改革に関する学校教育法等の改正について」(『大学評価研究』第14号、2015年8月)においては、学校教育法の一部改正の意義が、(1)副学長の職務(第92条第4項関係)、(2)教授会の役割の明確化(第93条…

ゴリラ研究だけでは大学運営ができない、組閣人事の致命的な誤り、山極壽一京大総長の虚像と実像(その4)

6年前、山極氏が京大総長に選ばれたとき、学内の私の友人たちは「山極は絵になる男」「ゴリラ研究者で山男というのは面白い」「松本以外なら誰でもいい、型破りのタイプがほしい」などと、口勝手なことを言っていた。要するに、文科省の役人が真っ青になるほ…

学内教職員意向調査において過半数に満たない湊氏(4割)がなぜ次期京大総長に選考されたのか、山極壽一京大総長の虚像と実像(その3)

京都大学は2020年7月21日、山極寿一総長(68歳)が9月30日で任期満了になるに伴い、次期(第27代)総長に湊長博理事(69歳)を選考した。総長選考会議(学内委員6名、学外委員6名、計12名)が2020年5月29日に公示した日程は、以下の通りである。 (1)2020年…

次期京大総長候補者への学内諸団体の公開質問状を通して考えること、山極壽一京大総長の虚像と実像(その2)

7月2日に拙ブログ「山極壽一京大総長の虚像と実像(その1)」を書いてから半月が経過した。この間、幾つかの論点を提示するつもりだったが、『月刊ねっとわーく京都』への寄稿、京都の観光問題を論じた出版原稿の校正作業などが重なり、思うように時間が取…

霊長類学者でありながら、関東軍731部隊軍医将校の「さる実験(人体実験)」に関する学位論文の検証を一貫して拒んできた山極京大総長、山極壽一京大総長の虚像と実像(その2)

メディアでは「ゴリラ研究の第一人者」と紹介される山極氏が、関東軍731部隊軍医将校の「さる実験(人体実験)」に関する学位論文の検証を一貫して拒み続けてきたことはあまり知られていない。2018年2月に結成された「満洲731部隊軍医将校の学位授与の検証を…

京都大学霊長類研究所、松沢哲郎元所長らによる研究費5億円不正支出の背景 山極壽一京大総長の虚像と実像(その1)

2020年6月26日午後、時計台ホールで開かれた京大霊長類研究所の研究不正に関する記者会見は大変な盛況だったらしい。なにしろ40社に近いメディアが詰めかけ、報告に当たった3人の京大関係者(湊・潮見副学長、湯本霊長研所長)は汗だくで釈明に追われたとい…

安倍政権8年間のレガシーは「アベノマスク」だけだった、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(41)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その218)

毎日新聞6月18日の記事、「安倍政権の8年は何だったのか、「レガシーは『アベノマスク』だけ」、憲法改正困難に」を読んで思わず噴き出してしまった。安倍政権の本質をこれほどまで見事に活写した見出しはかってなかったからだ。6月17日に閉会した通常国会で…

安倍経産内閣の堕ち行くところ、新型コロナ対策補正予算にみる究極の腐敗構造、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(40)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その217)

安倍内閣が、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として打ち出した1次補正予算および2次補正予算案をめぐって国会が紛糾している。「Go To キャンペーン委託費最大3095億円」「持続化給付金委委託費769億円」「予備費10兆円」が3大テーマだ。いずれもコロ…

新型コロナウイルス騒動の裏にショックドクトリン政策の影を見る、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(39)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その216)

5月25日に全国の緊急事態宣言が解除されてから1週間余りの時が流れた。1週間後の6月1日がちょうど月の変わり目でしかも月曜日、何だか空気が変わったような気がして少し楽な感じになった。だが、外出して見ると、圧倒的多数の人々がマスクをして歩い…

黒川東京高検検事長の賭けマージャン発覚は、産経新聞関係者からの週刊文春への通報だった、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(38)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その215)

黒川東京高検検事長の賭けマージャン発覚は、産経新聞関係者からの週刊文春への通報だった、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(38)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その215) 黒川東京高検検事長の賭けマージャン事件で驚いたことが3つある。第…

朝日・読売両紙の1面トップ記事(5月18日)にみる安倍政権の凋落ぶり、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(37)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その214)

5月18日の朝日・読売両紙を広げて驚いた。朝日の1面トップ記事は、河合夫妻が昨年7月の参院選を控えて広島選挙区の地元議員や陣営関係者ら約30人に700万円を超す現金を持参していたことを、県議らの証言を基に詳細に報じている。自民党本部から提供…

「アベノマスクがまだ届かない...」で盛り上がった政治談議、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(36)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その213)

暇と健康を持て余している元気老人が数人、いつもの喫茶店に集まった。マスターももちろん元気で健康そのもの、お互いに「コロナをうつさない」ことを信条とする暇な連中の集まりだ。共通するのは「オンライン」「テレビ会議」などの最新兵器が苦手なこと、…

小池東京都知事・吉村大阪府知事が突出する中で沈没する野党共闘、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(35)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その212)

小池東京都知事・吉村大阪府知事が突出する中で沈没する野党共闘、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(35)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その212) 連日、新型コロナウイルスの感染者数や死者数の報道を聞かされ、気が滅入ることおびただしい。…

内閣不支持率が高まる中、1人一律10万円支給で事態を打開できるか、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(34)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その211)

前回の拙ブログをめぐって、最近何人かと議論する機会があった。「3密」を避けての少人数の集まりだから盛り上がらないことおびただしい。それでも幾つかの論点が浮かび上がり、それぞれが自己満足して別れた。論点は以下のようなものだ。 (1)安倍首相は…

総選挙は間近か、緊急事態宣言と緊急経済対策の打ち出しで都知事選同時選挙の可能性高まる、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(33)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その210)

安倍首相は4月6日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を7日にも東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に出す意向を明らかにした。期間は5月6日までの1カ月、7日に正式に決定する。特措法に基づく緊急事態宣言は今回が…

新型コロナウイルスの感染拡大を契機とする安倍流ショックドクトリン政策は成功するか、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(32)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その209)

近畿財務局職員の遺書の公開、黒川東京高検検事長の定年延長をめぐる森雅子法相の支離滅裂答弁、河合夫妻の公職選挙法違反疑惑に関する秘書逮捕などなど、最近の安倍政権には内閣が幾つも吹っ飛んでおかしくないほどの不祥事が続出している。それでいて一旦…

パンデミック宣言で東京五輪はどうなる? 安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(31)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その208)

遅きに失したとはいえ3月11日、 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は漸くにして新型コロナウイルス感染拡大は「パンデミック(世界的な大流行)」に相当すると表明した。中国湖北省武漢が発生源とされる新型コロナ感染は、3月11日時点で114国・地域にす…

〝コロナパニック〟の引き金を引いた安倍首相のイベント自粛指示、全国小中高一斉休校要請宣言、安倍内閣支持率下落と野党共闘の行方(30)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その207)

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。朝日新聞(3月4日)によると、3月3日現在、感染者は世界70カ国・地域で9万1892人、死者数は3130人に上り、依然として勢いが衰えない。2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)は29カ国・地域で約8千人…