日本共産党の統治システム〝民主集中制〟が機能不全に陥りつつある、志位委員長はこの危機を打開できるか(その7)、岸田内閣と野党共闘(66)

日本共産党創立101周年記念講演会が2023年9月15日に開かれ、志位委員長が「歴史に深く学び、つよく大きな党を――『日本共産党の百年』を語る」と題して講演した(赤旗9月16日)。昨年9月17日、志位委員長は「日本共産党100年の歴史と綱領を語る」とのテーマで…

党勢拡大運動の変遷から見た日本共産党史(2000年代~現在)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その6)、岸田内閣と野党共闘(65)

志位書記局長が委員長に就任した第22回党大会(2000年11月)は、2005年までに「五十万の党」を実現するため5カ年計画が立てられたが、党員数は40万人余にとどまり目標を達成できなかった。しかし、それ以上に深刻なのは、党員の年齢構成が急速に高齢化しつつ…

党勢拡大運動の変遷から見た日本共産党史(1980年代~2000年代初頭)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その5)、岸田内閣と野党共闘(64)

1960年代と70年代が〝大衆的前衛党〟の建設が進んだ「躍進の時代」だったとすれば、不破書記局長が〝百万の党〟を標榜した80年代から90年代にかけては、党勢拡大に急ブレーキがかかった時代だった。60~70年代は党勢拡大が計画的に進展したが、80年代に入る…

党勢拡大運動から見た日本共産党史(1960年代~80年代初頭)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その3)、岸田内閣と野党共闘(62)

前々回の拙ブログで、日本共産党百年史のむすびが「党の政治的影響力は、党づくりで飛躍的前進を開始した1960年代に比べるならばはるかに大きくなっています。全党のたゆまぬ努力によって、1万7千の支部、約26万人の党員、約90万のしんぶん赤旗読者、約2400…

党勢の伸長と後退は、国民・有権者の〝大局的判断〟で決まる、支配勢力が全てを操作できるわけではない、志位委員長はこの危機を打開できるか(その2)、岸田内閣と野党共闘(62)

8月2,3両日にわたって開かれた共産党の全国都道府県委員長会議は、志位委員長や小池書記局長の発言が報道されただけで、討論の詳しい内容はわからない。ただその中で、福岡県委員長の「特別発言」が志位委員長の「中間発言」の次に掲載された(赤旗8月4日…

『日本共産党の百年1922~2022』にみる党存亡の危機、志位委員長はこの危機を打開できるか(その1)、岸田内閣と野党共闘(61)

1990年7月に書記局長に選出され、2000年11月に委員長に就任した志位和夫氏(1954年生)は2023年8月現在、日本共産党の最高幹部を在任すること実に33年の長期に及ぶ。志位氏が委員長に就任して間もなく刊行された『日本共産党の八十年1922~2002』(2003年1月…

「岸田降ろし」が自民党内で起こらないことが維新の存在を際立たせている、岸田内閣低支持率の影響(その1)、岸田内閣と野党共闘(60)

7月24日に公表された毎日新聞世論調査(22,23日実施)と読売新聞世論調査(21~23日実施)によると、岸田内閣の支持率は急落の一途をたどっている。毎日は支持28%、不支持65%。前回(6月17,18日実施)の支持33%、不支持57%から支持は5ポイント下落して…

立憲民主党が今なすべきことは「あいまいな候補者調整」ではなく、「まともな野党共闘」を担える党代表に代えることだ、岸田内閣と野党共闘(59)

立憲泉代表の〝迷走〟が止まらない。羅針盤が狂っているのか、もともと持っていないのか、とにかく言うこと為すこと全てが思いつき程度のことばかりなのである。ついこの間まで言っていたことが1週間もしないうちにガラリと変わるので、政党関係者はもとよ…

選挙日程に合わせて候補者調整すると言うのは、まともな「野党共闘」と言えない、立憲泉代表のご都合主義は完全に破綻している、岸田内閣と野党共闘(58)

7月8日、朝日新聞は「泉氏一転 一本化を明言、『選挙遠のき、再考は当たり前』」との見出しで、次のように伝えた。 ――立憲民主党の泉健太代表は7日の記者会見で、次期衆院選での野党候補の一本化に向けた調整を進めると明言した。これまで日本維新の会や共産…

〝革命政党〟を掲げて野党共闘を追及する矛盾、日本共産党第8回中央委員会総会報告を読んで、共産党党首公選問題を考える(その16)、岸田内閣と野党共闘(57)

日本共産党第8回中央委員会総会(8中総)が終わった翌日、6月26日の赤旗は1面トップで「革命政党として統一と団結固める」という特大見出しを掲げた。赤旗にはそれまで「政治をもとから変える」というフレーズがしばしば登場していたが、それが〝革命政党〟…

「政治には節目必要」「体力があるうちにバトンタッチするのが常道」、穀田恵二共産党衆院議員(比例近畿・当選10回)が引退表明、共産党党首公選問題を考える(その15)、岸田内閣と野党共闘(56)

共産党の穀田恵二衆院議員(76歳)は6月23日、次期衆院選に立候補せず、引退すると表明した。その理由は「政治には節目が必要」「体力があるうちにバトンタッチするのが常道」というものだ(朝日新聞6月24日)。これまでも穀田氏は(高齢を理由に)過去幾度…

岸田内閣の支持率急落に見る世論の構造変化、政党支持基盤に地殻変動の予兆があらわれている、岸田内閣と野党共闘(55)

6月17、18両日に実施された朝日新聞、毎日新聞、共同通信の世論調査結果を見て、いつもとは異なる気配を強く感じた。岸田内閣の支持率が急落したことに加えて、自民・公明連立政権に対する否定的評価がはっきりとあらわれていたからだ。自公連立政権の継続・…

岸田首相が解散・総選挙を見送った、総選挙を弄ぶ首相の対応は国民の信を失う、岸田内閣と野党共闘(54)

今国会中の解散を事あるごとに匂わせていた岸田首相が6月15日夕、官邸記者団に「今国会での解散は考えていない」と語った。同日の日経新聞が「与党、今国会解散見送り論」「岸田政権、マイナ巡り連日陳謝 内閣支持率、下落の兆し」との見出しで、情勢の変化…

総選挙に向けて早くもスタートを切った共産党、統一地方選挙の総活はいったいどうなる、共産党党首公選問題を考える(その14)、岸田内閣と野党共闘(53)

次期衆院選を巡る解散・総選挙の情勢が混沌とするなか、共産党機関紙「赤旗」は2023年6月4日、1面トップで「総選挙に向けスタート、『もとから変える』党伸びてこそ」との見出しで、比例南関東ブロック候補を応援する志位委員長の街頭演説の様子を伝えた。 ―…

首相官邸と公邸は同一敷地内にあって24時間厳重に警護されている、公邸は丸ごと〝公的スペース〟であって〝私的スペース〟ではない、岸田内閣と野党共闘(52)

5月24日の『週刊文春』記事に続いて6月2日、今度は写真週刊誌『フライデー』が岸田一族の「忘年会」記念写真を暴露した。前日の6月1日、岸田首相の長男秘書官が公邸での「悪ふざけ記念撮影」などの不行跡を問われて更迭されたばかりで、「またか!」と国民が…

〝サミット効果〟を台無しにした岸田翔太郎・首相長男秘書官更迭の波紋、「泣いて馬謖を斬る」か、「百日の説法屁一つ」か、岸田内閣と野党共闘(51)

岸田首相は5月29日、長男の岸田翔太郎秘書官(32)を6月1日付で辞職させ、更迭する意向を表明した。昨年末の公邸内での忘年会の際、長男秘書官が親族らと「閣議ごっこ」や「記者会見まがい」の記念撮影をしたことが『週刊文春』に暴露されたのが事の始まりだ…

立憲泉代表による「非自民・非共産路線」は成功しない、連合の支援を受けても次期衆院選は大敗する、岸田内閣と野党共闘(50)

G7広島サミットのPR効果で岸田内閣の支持率が上がる一方だが、立憲民主党の影は日に日に薄くなっていく。5月20、21両日に実施された毎日新聞世論調査では、内閣支持率が前回36%から45%へ9ポイント上昇し、不支持率が56%から46%へ10ポイント下落した…

次期衆院選が間近に迫る、維新から袖にされて進退窮まった立憲泉代表はどうする、岸田内閣と野党共闘(49)

立憲民主党の岡田幹事長は5月13日、千葉県柏市の街頭演説で「6月解散、7月投票の可能性は十分にある」と述べたという。岸田首相が6月21日の通常国会会期末までに衆院を解散して「勝負に出る」可能性が大きい――、というのがその理由だ。また、昨年から国会共…

共産党の体質とイメージを変えるための若干の提案、機関紙赤旗に「討議欄」を設けてはどうか、共産党党首公選問題を考える(その13)、岸田内閣と野党共闘(48)

共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の全盛期には、赤旗1紙で世の中のことが全てわかると言われていた。赤旗を購読すれば、他の新聞を読まなくても必要な情報が得られるという意味だろう。私は(乏しい家計をやりくりして)当時から各紙数部を購読して「読み比…

維新・国民新会派の結成で危うい立憲民主党の行方、衆参5補選、統一地方選挙後半戦の結果から(4)、共産党党首公選問題を考える(その12)、岸田内閣と野党共闘(47)

京都からは立憲民主党の幹部が多数出ている。泉健太代表(衆院京都3区)、山井和則国対委員長代行(同6区)、福山哲郎元幹事長(参院京都選挙区)などである。だから、その支えとなる地方議員が数多くいると思われているが、その数は驚くほど少ない。今回の…

〝政界再編の序曲〟は既に始まっている、京都では府議会で維新・国民、京都市議会では維新・京都・国民の合同会派が結成された、衆参5補選、統一地方選挙後半戦の結果から(3)、共産党党首公選問題を考える(その11)、岸田内閣と野党共闘(46)

統一地方選の波紋が全国に広がっている。京都では〝政界再編の序曲〟ともいうべき動きが早くも始まった。日本維新の会と国民民主党、地域政党京都党の3党の京都市議らが4月28日に記者会見し、京都市議会(定数67)で新会派「維新・京都・国民市会議員団」(1…

〝旧いままの共産党〟では21世紀に生き残れない、衆参5補選、統一地方選挙後半戦の結果から(2)、共産党党首公選問題を考える(その10)、岸田内閣と野党共闘(45)

冒頭に、京都市内で開かれた選挙報告集会での渡辺京都府委員会委員長の発言を紹介しよう。京都新聞(4月26日)が伝えたのは、「京都の共産、トップが『異例』の謝罪、統一地方選で歴史的大敗、京都市長選どう挑む」という見出しの選挙総括シリーズの記事だ(…

維新のキャッチコピー〝旧い政治を変える〟に呑み込まれた統一地方選挙、衆参5補選、統一地方選挙後半戦の結果から(1)、共産党党首公選問題を考える(その9)、岸田内閣と野党共闘(44)

今回の統一地方選の際立った特徴は、投票率が過去最低水準に落ち込んだことだ。総務省が発表した平均投票率は、前半戦では9知事選46.78%、41道府県議選41.85%、6政令市長選46.61%、17政令市議選41.77%でいずれも過去最低を記録し、有権者の過半数が投票…

〝解党的出直し〟を迫られている共産党、統一地方選挙前半戦の結果を見て(2)、共産党党首公選問題を考える(その8)、岸田内閣と野党共闘(43)

今回の統一地方選に関するさまざまな分析のなかで、朝日新聞(4月11日)の解説記事に興味を引かれた。「維新伸長、各党に危機感」と題する一連の記事の中で、自民党が統一地方選前半戦の結果をどのように評価しているか、党内の見解をいろんな角度から分析し…

「維新の独り勝ち」「共産の独り負け」だった、統一地方選挙前半戦の結果を見て(1)、共産党党首公選問題を考える(その7)、岸田内閣と野党共闘(42)

統一地方選挙前半戦の投開票日(4月9日)、テレビ報道は「維新一色」に染まった。とりわけ関西では、大阪府知事・大阪市長ダブル選挙と奈良県知事選に維新が勝利(圧勝)したこともあって、報道の大半が維新に独占される始末。これでは、後半戦も維新の躍進…

「130%の党づくり」は〝目標〟なのか、それとも〝ノルマ〟なのか、共産党党首公選問題を考える(その6)、岸田内閣と野党共闘(41)

党員10万人増、赤旗読者30万人増(いずれも死亡者数、離党者数を除く純増分)を目標とする「130%の党づくり」が提起されたのは、第28回党大会(2020年1月)のことであり、党創立100周年(2022年7月)までが期限だった。しかし、創立100周年直後に開かれた第…

減り続ける原因を分析しないで、拡大ばかりを唱える「130%の党づくり」は完全に破綻している、共産党党首公選問題を考える(その5)、岸田内閣と野党共闘(40)

共産党機関紙「赤旗」は連日、2024年1月の第29回党大会に備えて「130%の党づくり」を訴えている。「特別期間」を設けて拡大目標を設定し、その達成率を毎月報告させて党員や支持者を叱咤激励するやり方だ。今年1月に採択された「『130%の党』をつくるため…

全ての下部組織に「返事」を求める党中央の「手紙」が〝民主的運営〟の体現と言えるのか、共産党党首公選問題を考える(その4)、岸田内閣と野党共闘(39)

一般的にいって、手紙とは「用事などを書いて他人に送る文書、書簡」(国語辞典)だと解されている。受け取った手紙に対して返事を書くか書かないかは、個人の自由であり任意であって強制されるべきものではない。手紙は個人の自由意思に基づくコミュニケー…

社会は〝団結=行動の統一〟を生み出すことができないのか、土井洋彦書記局次長の「一部の疑問に答えて」について、共産党党首公選問題を考える(その3)、岸田内閣と野党共闘(38)

このところ、少し共産党機関紙「赤旗」の論調が変わってきたのかもしれない。2月25日付けの「政党のあり方と社会のあり方の関係を考える、一部の疑問に答えて」と題する土井書記局次長論文を読んでそう思った。冒頭の一節がそうだ。 ――党の規約を無視した行…

ピタリと止んだ共産党機関紙「赤旗」の〝松竹除名問題キャンペーン〟「撃ち方止め!」との号令が天から下ったからか、共産党党首公選問題を考える(その2)、岸田内閣と野党共闘(37)

松竹伸幸氏の『シン・日本共産党宣言、ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)が1月19日に刊行されて以来、共産党が機関紙「赤旗」で(機関銃のように)連日繰り広げてきた〝松竹除名問題キャンペーン“がこのところピタリと止んでいる。2月18…