2013-01-01から1年間の記事一覧
21世紀に入ってからの国(国土交通省)の都市政策に関する基本認識は、「都市成長の時代は終わり、都市縮退の時代に入った」というものだ。「縮退」と言う用語は国交省の造語であまり聞き慣れない言葉だが、言わんとすることはわかる。要するに、これまで…
堺市は、表向き「歴史的自由都市・自治都市」を標榜しながら、その実は根っからの“成長(至上)主義都市”だった。隣接する大阪市の凄まじい工業化・都市化の圧力に絶えず曝されてきた結果、自らも大都市(政令指定都市)に成長しようとする意気込みが物凄く…
今年の参院選と堺市長選は、僅か2ヶ月余りしか離れていない。また得票総数は、参院選34万7千票、市長選33万9千票だから、国政選挙と首長選挙の性格の違いはあるが、ほぼ似た規模と構造を持った選挙だと見なすことができる。それに市長選は維新候補と…
選挙後、各紙を2日にわたって詳しく読んでみたが、どれもこれもが“維新批判”の論調で埋め尽くされていて、いささか食傷気味の感じを受けた。まったく「その通り!」と言う他はないのだが、マスメディアの大半が「大阪維新の会」「日本維新の会」の結党以来…
橋下維新の“雪崩的大敗”とまではいかなかったが、6万票(有効投票数の17%)近い大差をつけて竹山陣営が勝利した今回の堺市長選の政治的意義は大きい。橋下氏は昨夜の突然の記者会見で、敗北の理由として「堺市民が大阪都構想を“誤認”した」ことを挙げ、…
今日9月29日(日)は、歴史的な堺市長選の投開票の日だ。今日の深夜に判明する堺市長選の結果は、堺市はもとより日本の運命を左右すると言ってもよいほど重大な意味を帯びている。端的にいえば、堺市長選は「大阪維新の会」ひいては「日本維新の会」の消…
私が堺市長選に関するブログを書き始めたのは8月15日、それからほぼ連日、30回近く書いて今日を迎えた。橋下維新が猛威を振るい始めて以降、主として東京在住ジャーナリストの同人ブログ、『リベラル21』で橋下批判を連載してきたのだが(関東の人た…
堺市長選もいよいよ後3日となり、大詰めの段階に入った。「最後の3日間は何が起るか分からない」というのが選挙通の言葉らしいが、そこで気になるのが公明党の動きだ。橋下維新が最後に「どんでん返し」を試みるのであれば、それは「公明カード」以外に見…
阪神・淡路大震災復興事業の肝いり事業として鳴り物入りで喧伝された神戸市・新長田駅前再開発事業が、いま破綻に直面している。大正筋商店街など“地域商店街”として栄えてきた地域一帯を阪神大震災を契機に大規模再開発し、神戸市の“西の副都心”として発展…
橋下維新が堺市長選で「戦術転換」するのだという。前半戦では「都構想でも堺はなくならない」と受け身に回ったことを反省し、後半戦は「都構想で堺市の行政サービスが充実する」との“前向きのメッセージ”を出していくのだそうだ(朝日新聞2013年9月24日)。…
読売新聞は9月19日から21日、残り各社は20日から22日と若干のずれはあるが、各社の堺市長選に関する市民世論調査が一斉に行われ、23日に調査結果が公表されて大方の見取り図が浮かび上がってきた。結論的に言えば、竹山陣営が橋下維新をリードし…
終盤戦になって“劣勢”にあえぐ橋下維新、堺市長選の投票は1週間後に迫った、いまこそ魯迅が言う「水に落ちた犬は打て」を実行するときがきた、堺市長選の分析(その17)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(47)
堺市長選の序盤戦がほぼ終わった9月21日、「堺大好き堺っ子」というフェイスブックを運営する市民グループの案内で市内一円を歩いた。私のような岡目八目派は、時々現場に行かないと「遠目」が利かなくなる。8月中旬から現在まで5回ほど通ったが、それ…
堺市長選が中盤戦に入ったこのところ、大阪維新の会は新聞各紙(大阪本社版)を毎朝広げるのが怖いのではないか。“台風一過”でツイッター事件が少し収まり始めた9月19日、今度は大阪府教委の中原教育長が「公務に対する府民の信頼を維持する」ことを目的…
前回の日記ではただ単に事実関係を述べただけで、それがどのような政治的意味合いをもつものであるかについては論評しなかった。だが橋下大阪市長のとった行動は、(彼が願ってやまない維新の)堺市長選勝利への否定的影響はもとより、(彼自身は気が付いて…
これほど無責任極まる人物に大阪市政は任せておけない! まして台風18号の大雨による避難勧告の最中に隣の堺市長選のツイッターにうつつを抜かすとはーーー。『日刊ゲンダイ』(9月17日)や朝日新聞(9月19日)を読んだ人々は皆そう思ったのではないか。災…
全国注目の的の堺市長選がいよいよスタートした。マスメディアがこの選挙の政治構図をいったいどう描くのか、9月に入ってから各紙の論調を丹念にフォローしてきた。だがその感想を一言でいえば、各紙ともお決まりの「大阪都構想対決」一色で目の覚めるよう…
台風が接近していたためか、堺市長選初日の天候は断続的に雨が降るという最悪に近い状態だった。しかし、それにしても橋下維新の街頭演説会はあまりにも寂しすぎた。9月15日午後1時から始まった堺東駅前の大阪維新の街頭演説会には、およそ200人余りの人た…
今日9月15日は、全国注目の的の堺市長選の告示日である。あいにくの雨模様で出陣式は気勢を削がれるかもしれないが、その政治的意義が減じることはない。旧保守(大阪自民)が新保守(極右・橋下維新)と本格的に対決する堺市長選の結果は、日本の政治構造…
日本の支配政党・自民党は、「保守党」の看板を掲げながら地域開発・都市開発の先鋒になってきた政党だ。「保守」とは日本の好ましい伝統を守り、美しい日本の自然を守るのが本来の筋だ。ところが驚くべきことに、日本の伝統と自然を先頭に立って破壊してき…
堺市の都市計画・まちづくりの構造的な欠陥は、「大阪市から自立できなかったことだ」とこれまで繰り返し述べてきた。その象徴が堺市内の交通網の歪みである。このことは堺市当局も気付いていたらしく、堺市建築都市局(鉄道整備室)は、『自治大阪』(大阪…
このところ、橋下維新が主導する大阪市政においては目を覆うような不祥事が相次いでいる。それも単純な不祥事ではない。橋下市長が鳴り物入りで導入した「民間人公募区長」「民間人公募校長」の不祥事であり、橋下維新の主義主張の根幹にかかわる重大な不祥…
竹山マニフェストの骨子は、橋下維新の大阪都構想による堺の解体を阻止し、「堺の自治を守る」というものだ。このことは地方自治の精神にもとづくオーソドックスな主張であり、まともな相手なら反論に窮するはずである。ところが、橋下維新はこともあろうに…
「マニフェスト選挙」という言葉が一時流行っていた頃、マスメディアの世界でも大きな誤解があった。それは「出来もしない選挙公約」を批判する余り、マニフェストは具体的な「数値をともなった公約」でなければ意味がないという誤解である。だが、無理をし…
竹山陣営は、自民(旧保守)と民主(旧民社系労組)の「寄せ集め集団」である。両者はいずれもそれぞれ固有の選挙地盤を持っている。自民は、町内会を軸とした地域諸団体(女性会、老人会、民生委員会、体育振興会など)および各種業界団体(医師会、商工会…
橋下維新が政党の存亡をかけ、総力(必死)で堺市長選に臨んできているのに対して、現職側の竹山陣営の体制はいったいどうなっているのか。どうもよくわからない点が多いので、8月下旬に旧知のジャーナリストと一緒に竹山陣営の関係者に直接話を聞いてみる…
タウンミーティングでの橋下氏の演説で気がついたことは、堺市長選で対決しているにもかかわらず、その主力である自民党に対しては一切批判をせず、側面勢力の民主党と勝手連の共産党を激しく攻撃することだ。また「自主投票」の公明党に触れない点も際立っ…
8月29日から堺市内の7行政区で、「大阪維新の会・堺」の堺市長選に向けたタウンミーティング(計7回)が始まった。9月2日は第2回目のタウンミーティングの日、市内中心区(堺区)の市民会館で開かれるとあって野次馬的に見学に出かけた。橋下・松井…
今回の朝日調査は、一言でいえば、安倍内閣の“風評人気”の実態を解剖したものだと言える。その特徴は、安倍首相に対する好感度や仕事ぶりへの全般的評価(「よくやっている」59%)が非常に高いにもかかわらず、17項目にわたる個々の政策に関してはほとんど…
いま、マスメディアの世論調査で最も数多く用いられている調査方法は、「RDD方式」(ランダム・ディジット・ダイアリング)といわれる電話調査だ。コンピューターで無作為に作成した番号の中から実際に使用されている固定電話番号を抽出し(経験的には約…
自民党が政権を奪還して以来、安倍政権では「イケイケドンドン」の一本調子が続いてきた。2012年末の総選挙以降、アベノミクスという“人参“を国民の前にぶら下げて「風評人気」で突っ走ってきた安倍政権は、勢いを駆って2013年夏の参院選でも大勝利を収め、…