2013-01-01から1年間の記事一覧

国政でも大阪でも挫折した橋下維新、本格的な維新批判の論評がマスメディアから出始めた、改憲勢力に如何に立ち向かうか(27)

これまで橋下維新に関するマスメディアの対応にはとかく問題が多かった。派手なパフォーマンスを面白半分に報道する、発言の中身を十分吟味もしないでそのまま垂れ流す、あるいはくるくる変わる主張の検証もせずその都度追認するなどなど、およそジャーナリ…

橋下維新が首相官邸にすり寄るのはなぜか、堺屋太一氏の内閣官房参与の就任が意味するもの、『リベラル21』の再録(その4)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(26)

『リベラル21』が混み合っている所為か、本ブログが遂に「再録」を追い越してフライイング掲載になってしまった。これでは「再録」とはいえないのであるが、いずれ掲載されるだろうからお許しいただきたい。今回の主題は、橋下維新と安倍政権の関係である。…

度量の広い大阪の共産党、その反対の神戸の共産党、首長選挙は「敵の敵は味方」というぐらいの政治決断(度量)がないと勝てない、『リベラル21』の再録(その3)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(25)

市長選挙はたったひとりの首長を選ぶ選挙である。多数の議員を選ぶ政党選挙とは根本的に違う。自党候補を単独で当選させるだけの勢力を有する場合は、党の政策を前面に立てて戦うことができる。しかしそれだけの力がない場合は、政策的に妥協して他党との共…

公明党は堺市長選でどっちに付くか、『リベラル21』の再録(その2)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(24)

堺市長選で勝敗の帰趨を握るのが公明党だ。公明票の特徴は幹部の指示でどちらにでも動くことだ。いわば巨大な「投票マシーン」といってもよい。その公明党が橋下維新から総選挙での「借りを返せ」と迫られている。公明党が候補の候補を立てる選挙区には維新…

橋下維新の存亡が懸かる堺市長選、『リベラル21』の再録(その1)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(23)

「京都96条の会」の結成に向けての準備が一応軌道に乗ったので、8月と9月の2ヶ月間は改憲策動の先頭を切る橋下維新について書きたい。というのは、9月15日告示、29日投開票の堺市長選において、維新は「大阪都構想反対」の態度を明確にした現職の…

「京都96条の会」結成への方針とスケジュールがほぼ固まった、「左派」と「中道リベラル」の連携以外に改憲勢力への対抗軸はない(その5)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(22)

「京都96条の会」立ち上がりシンポ(8月6日)以降、準備世話人の間で結成に向けて話し合いを続けてきた。その結果、次のような方針とスケジュールがほぼ固まった。「96条の会の準備はその後どうなっているのか」、「入会するにはどうすればよいのか」…

“関西風”の味付けになった「京都96条の会」の立ち上がりシンポ、「左派」と「中道リベラル」の連携以外に改憲勢力への対抗軸はない(その4)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(21)

8月6日の広島原爆記念日に開かれた「京都96条の会」の立ち上がりシンポは、2週間余りの準備にもかかわらず150名余の市民が詰めかける大盛況の集会になった。準備世話人の隅井孝雄氏(ノートルダム女子大学客員教授、メディア論)が入念なプレスリリ…

「絶叫する改憲」から「静かなる改憲」へ方針転換か、自民党改憲推進本部の“改憲対話集会”と麻生副首相の“ナチス手口発言”を結ぶもの、「左派」と「中道リベラル」の連携以外に改憲勢力への対抗軸はない(その3)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(20)

7月31日から8月1日にかけての新聞各紙は要注意記事の連続だ。参院選後の改憲策動の変化が目に見えるようなかたちで出てきているのである。私がまず注目したのは、「自民が「改憲対話」検討」「草案説明へ草の根開催」「9条96条改定反対の世論に対抗…

「龍谷大学9条の会」、「憲法9条京都の会」に参加して考えたこと、「左派」と「中道リベラル」の連携以外に改憲勢力への対抗軸はない(その2)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(19)

7月25日夜の「龍谷大学9条の会」は盛会だった。9条の会事務局長の小森陽一氏(東大教授)の講演会に、学長・副学長をはじめ多数の教職員や学生・院生が参加し、大学周辺の地域住民の方々も数多く参加された。また講演会終了後、小森氏を含めて交流会が…

ポスト参院選の3年間にいかなる政治情勢が展開するか、「左派」と「中道リベラル」の連携以外に対抗軸はない(その1)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(18)

2013年夏の参院選が終わった。自民・維新・みんなの改憲右派勢力の議席が3分の2に届かなかったので、安倍政権の改憲策動のペースが落ちたような報道がされているが、私はそうは思わない。公明党が疑いもなく改憲勢力の一翼である以上、上記3党に公明…

「京都96条の会」結成への準備シンポジウムが8月6日に開催される、各地域での「96条の会」結成が当面の急務の課題だ(その4)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(17)

2013年参院選がどのような結果になるかについては、いまのところ私は新聞情報以外の判断材料を持ち合わせていない。ただ改憲勢力の主力である自民党が議席を倍増させ、自公与党が過半数を制することはどんな選挙情報においてもほぼ確実視されている。と…

京都の同志社大学で「立憲主義と平和主義を考える」シンポジウムが開催された、各地域での「96条の会」結成が当面の急務の課題だ(その3)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(16)

参議院選挙を目前に控え、祇園祭が宵山を迎えた7月16日、同志社大学グローバル・スタディーズ研究所の主催で「立憲主義と平和主義を考える」シンポジウムが開かれた。研究所が定期的に開催している公開セミナーの第39回目にあたる企画だと言うが、中身…

護憲運動の主軸を憲法9条から96条にシフトしよう、各地域での「96条の会」結成が当面の急務の課題だ(その2)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(15)

これまで憲法9条の擁護を基軸として「九条の会」が果たしてきた歴史的役割はいくら評価しても足りることはない。日本の憲政史上、これほど大きな影響力を持った国民運動は存在しなかったし、「九条の会」がなければとっくの昔に9条改悪が実現していたかもし…

護憲運動のシナリオを「政党の組み合わせ」から市民主導の「国民投票の体制づくり」にシフトしよう、各地域での「96条の会」結成が当面の急務の課題だ(その1)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(14)

昨年末の総選挙における革新政党の惨敗以来、私の脳裏を占め続けてきたのは夏の参院選に向けての護憲勢力の結集、なかでも護憲・反原発を掲げる諸政党の連携だった。だが改憲勢力が衆参両院で3分の2を占める情勢が現実味を帯びているにもかかわらず、政党間…

「九条の会」と「96条の会」の関係はどうなる、「憲法改正」に関する世論が激動している(その9)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(13)

記念シンポジウムの終了後、東京の友人が「96条の会」の関係者を引き合わせてくれて深夜まで意見交換をした。これは会場のアンケート用紙にも書いたことだが、シンポジウムの印象を聞かれて私が答えたことは、「集会は素晴らしかったが、具体的方針が見えな…

「96条の会」発足記念シンポジウム―熟議なき憲法改定に抗して―は、“熱気溢れる集会”となった、「憲法改正」に関する世論が激動している(その8)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(12)

最近、滅多にお目にかかれないような“熱気溢れる集会”だった。6月14日夜、東京四ツ谷の上智大学(ソフィア・ユニバーシティ)で開かれた「96条の会」発足記念シンポジウムのことだ。会場を提供した上智大学では、当初、ささやかな集会を想定していたら…

なぜ、「九条の会」は改憲阻止のためにもう一歩前へ踏み出さないのか、「学習」と「話し合い」だけでは改憲を防げない、「憲法改正」に関する世論が激動している(その7)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(11)

私も京都の九条の会の一員だが、このところ全国事務局から出る「メルマガ」や「ニュース」(月1回)の内容にはいたく失望している。理由は、改憲勢力が3分の2を占めるかもしれない参院選を目前にしながら、それを阻止するための効果的な方針が何ら打ち出さ…

橋下・維新は“墓穴”をますます深く掘り続ける、「憲法改正」に関する世論が激動している(その6)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(10)

2013年6月6日、橋下・維新が沖縄米軍のオスプレイを大阪の八尾飛行場で訓練させる提案を安倍首相に申し入れたというニュースを聞いて、さすがの大阪人も「仰け反った」という。沖縄の基地負担を本土が分かち合うというのが表向きの理由だが、米軍撤退…

橋下大阪市長の問責決議案が否決された、しかし小手先の回避策は却って傷を広げるだけだ、「憲法改正」に関する世論が激動している(その5)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(9)

2013年5月30日の各紙は、大見出しで「橋下大阪市長問責決議案、大阪市議会で可決へ」との観測記事を一斉に掲げた。自民・民主・共産の3会派が橋下市長の問責決議案を出し、公明が賛成して可決される見通しだと伝えたのである。ところが、今朝31日…

外国特派員協会会見での橋下発言は、彼に対する“心象風景”(イメージ)の変化に気付かない逆宣伝の場になった、「憲法改正」に関する世論が激動している(その4)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(8)

「心象風景」という言葉がある。一般的に云えば、人びとの心のなかに浮かんだ風景(イメージ)のことだ。稀代のトリックスターでありデマゴーグである橋下氏は、マスメディアやツウィッターを利用しながらこれまでふんだんに心象風景を活用してきた。テレビ…

橋下「慰安婦・風俗必要」発言と株価暴落によって改憲動向にストップがかかるかもしれない、「憲法改正」に関する世論が激動している(その3)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(7)

「政治は一寸先が闇」だというが、「政治も経済も一寸先が闇」といった荒れ模様になってきた。5月13日から始まった橋下「慰安婦・風俗必要」発言問題に続いて、昨日5月23日には株価が1000円以上も暴落するという思いもかけない展開になったからだ。…

憲法96条改正は「この国のかたち」を変えることにつながる、「憲法改正」に関する世論が激動している(その2)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(6)

日本の支配層は司馬遼太郎が好きだ。私が個人的にも知っている何人かの大企業経営者も『坂の上の雲』を読んで「身が震えた」といい、最近の若者にはこんな気概が感じられないといつも嘆いていた。国家と自己を同一視して国家のために献身的に働き、権力の階…

憲法96条改正を前面に出した作戦は誤算だった、「憲法改正」に関する世論が激動している(その1)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(5)

ここしばらくは、東日本大震災の「3年目の復興の現実」をまとめるため、原稿書きに没頭していた。近く発刊が予定されている共著で私だけが遅れに遅れていたので、5月連休もうわの空だった。「脱稿」という言葉があるが、状況はまさにそれにふさわしい。明…

公明党は“自民の傘”から抜けられず、憲法96条改定に賛成するだろう、「憲法改正」に関するNHK世論調査結果(2013年4月8日)は衝撃的だった(その4)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(4)

憲法96条の改定をめぐって注目されるのが公明党の態度だ。世論動向を人一倍気にする政党(いわゆる「風見鶏政党」)として知られる公明は、これまでも山口代表が「自民党との連立政権の枠組みには憲法改正が入っていない」、「憲法96条改正については十…

改憲のターゲットが9条から“改憲のマスターキー”96条に変わった、「憲法改正」に関するNHK世論調査結果(2013年4月8日)は衝撃的だった(その3)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(3)

安倍内閣の支持率が高水準を維持している第3の要因は、国民の抵抗が大きい憲法9条をいったん引っ込めて憲法96条を改憲の突破口に設定したことだ。阿部首相が夏の参院選までは「低姿勢」に徹して当面は景気対策に集中し、参院選後に一挙に「改憲タカ派」…

維新・みんなは夏の参院選まで改憲勢力を維持できるか、「憲法改正」に関するNHK世論調査結果(2013年4月8日)は衝撃的だった(その2)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(2)

前回のブログで、国民の憲法意識が改憲側に大きく傾いた要因のひとつとして、改憲勢力の主導部隊(自民・維新・みんな)が総選挙で3/4の議席を占めたことを挙げた。この数字はまさに驚異的であり、脅威的でもある。くわえて維新とみんなの間では、夏の参院…

「憲法改正」に関するNHK世論調査結果(2013年4月8日)は衝撃的だった(その1)、改憲勢力に如何に立ち向かうか(1)

2013年4月8日に公表された「憲法改正」に関するNHKの世論調査結果は衝撃的だった。これまでの世論調査なら、憲法9条改定の是非を中心にして質問が組まれていたのだが、今回の調査では憲法9条に関する質問はなく、その代わり憲法96条改定に関す…

超長期の取り組みを必要とする復興計画は、“空間計画”ではなく“時間計画”でなければならない、震災2周年を目前に控えて(その3)、震災1周年の東北地方を訪ねて(最終回)

この訪問記も震災2周年を直前にしてやっと最終回に辿り着いた。それは一応の締め切りにふさわしい論稿に出会えたからだ。先の日大シンポを主催した糸長浩司教授の報告、「原発災害に抗した二拠点多重居住システム―福島県飯舘村への支援活動を通して―」がそれ…

原発周辺地域の復興計画は、世代・世紀を超えた“超長期”の取り組みを必要とする、震災2周年を目前に控えて(その2)、震災1周年の東北地方を訪ねて(110)

私がこのシンポの開催を知ったのは関係学会からのメーリングリストによるものだが、参加しようと思ったのは、実行委員長の糸長日大教授と建築学会で同じ農村建築・農村計画の研究会に属していたこともあり、その人柄や行動力をよく知っていたからだ。またプ…

東日本大震災の復興のあり方は、これからの日本の国土と国民生活のグランドデザインを示す“戦略的ガイドライン”と直結している、震災2周年を目前に控えて(その1)、震災1周年の東北地方を訪ねて(109)

「震災1周年」から「震災2周年」への私の旅は長かった。この間、ブログは110回(25万字)、コラムは14回(10万字)、その他の論文を含めると50万字程度は書いたことになろうか。でも、訪れた地域や取り上げたテーマは数えるほどしかない。それほど東日本…