2014-01-01から1年間の記事一覧

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(11)、読売新聞の世論調査は、安倍政権の「集団的自衛権限定容認論」を広めるための“政策的キャンペーン”としか言いようがない、維新と野党再編の行方をめぐって(その14)

拙ブログの「辛口コメンテイター」である旅マン氏のコメントがいみじくも示すように、世論調査の回答者が新聞社に対して態度を変えることは「よくあること」といわれている。ただし回答の内容を変えるというよりは、調査を依頼してきた新聞社によって調査に…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(10)、世論調査結果は質問次第で大きく変わる、集団的自衛権の「限定的行使」容認をめぐる世論調査をどう見るか、維新と野党再編の行方をめぐって(その13)

安倍首相が5月15日の記者会見で表明した集団的自衛権の「限定的行使」について、このほど自民・公明の与党間で協議が始まった。事態は急迫しつつあるが、同時にこの1年間は護憲世論が過去のいかなる時期よりも顕著な高まりを見せ、安倍政権の改憲路線に対…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(9)、保守主義と右傾化は似て非なるものだ、文芸春秋の「安倍総理の『保守』を問う」シリーズから、維新と野党再編の行方をめぐって(その12)

安倍首相が「本来の保守」から逸脱していると考える回答者に共通する特徴は、彼らが戦後憲法体制に自信と誇りを持ち、その基盤の上に日本の平和と経済発展が築かれてきたことに確信を持ち、そしてその延長線上に日本の将来を展望していることだ。また「保守…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(8)、文芸春秋の「安倍総理の『保守』を問う」は、国家保守の総批判特集だ、維新と野党再編の行方をめぐって(その11)

安倍政権を全面的に肯定する意見の回答者には、右派系雑誌の常連であり、右派イデオローグの代表である藤原正彦氏(数学者、作家)、中西輝政氏(京大名誉教授)、佐藤正久氏(元自衛隊員、参議院議員)などがいる。言わんとするところは大同小異で、その内…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(7)、『文芸春秋』(2014年6月号)の超大型企画・「安倍総理の『保守』を問う」は安倍政権の反動的体質に不安を覚えているのではないか、維新と野党再編の行方をめぐって(その10)

“自作自演”とはまさにこのことを言うのだろう。それは5月15日の安保法制懇報告を受けての安倍首相の記者会見のことだ。まず自分のお友達グループで作った私的懇談会を「有識者会議」と呼び、いかにも権威ある組織であるかのように見せかける。次にその中…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(6)、「保守=改憲」、「革新=護憲」の構図をどう読むか、本当の保守とは憲法を守ることだ、維新と野党再編の行方をめぐって(その9)

一般的に言って、「保守」とは現存する体制を肯定すること、「革新」は体制を変革することを意味する。だが現在の憲法状況はそのあべこべであり、「保守=改憲」、「革新=護憲」というのだから話はややこしくなる。しかし、これを「保守政党=改憲」、「革…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(5)、「保革対決=左右(Y軸)の対決」の枠を超えた対抗軸、すなわち「護憲対決=上下(X軸)の対決」の構図が必要だ、維新と野党再編の行方をめぐって(その8)

革新勢力の政治戦略の基本は「保革対決」に置かれている。「保守=右翼」「革新=左翼」とも呼ばれているので、保革対決は「左右の対決」と言い換えることもできる。だが「中間政党」あるいは「第3極」という言葉もあるように、左右の中間領域にいろんな政…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(4)、“中間政党・公明党”を改憲側に追いやらないためにも、保革対決の枠を超えた護憲勢力の結集が安倍政権の対抗軸になる、維新と野党再編の行方をめぐって(その7)

連休明けに安倍首相の私的諮問機関、安全保障懇談会の報告が出される予定だという。安倍首相はそれを受けて集団的自衛権の「限定的」行使を容認する方針を打ち出すつもりのようだ。閣議決定に先駆けてなし崩し的に既成事実を積み上げ、連立与党の公明党を何…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(3)、「護憲円卓会議・兵庫」の議論で明らかになったこと、維新と野党再編の行方をめぐって(その6)

4月29日の「護憲円卓会議・兵庫」の発足を兼ねたシンポジウムにおいて、安倍内閣・自民党の高支持率下での護憲運動のあり方をめぐって興味ある議論が交わされた。このシンポを取材した神戸新聞(2014年4月30日)は、「枠組み超え、護憲を」との見出しで、…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(2)、高村薫・高橋源一郎・内田樹氏の論説から、維新と野党再編の行方をめぐって(その5)

社会不安がナショナリズムを台頭させ、安倍内閣の高支持率につながっているとの分析は、作家・高村薫さんの見解にも共通するものがある。高村さんは、朝日新聞のオピニオン欄・『耕論、消費される物語』(2014年4月22日)のなかで次のように語っている。 「…

安倍内閣・自民党の高支持率を分析する(1)、「政策評価=絶対評価」と「気分評価=相対評価」という2つの評価基準、維新と野党再編の行方をめぐって(その4)

時の内閣や政党に対する評価基準には、「政策評価=絶対評価」と「気分評価=相対評価」という2つの基準があるのではないかと思う。憲法、原発、所得、雇用、社会保障、教育など国の基本政策に強い関心を持つ人たちは、政策の良し悪しで内閣や政党を評価す…

戦後最悪の改憲政権なのに安倍内閣の支持率はなぜ高いのか、“1強多弱=自民ダントツ1位”の政治構造を分析する、維新と野党再編の行方をめぐって(その3)

前回、この1年間で国民の護憲意識が飛躍的に高まっていることを述べた。なのに、戦後最悪の改憲政権である安倍内閣および自民党への支持率が(低下しつつあるとはいえ)依然として高レベルにあるのはなぜか。毎日、日経、朝日、読売各紙の最新の世論調査結…

集団自衛権の行使容認のためには、「行けるところまで行く」「使えるものは何でも使う」、安倍首相の大阪入りの狙いと国会対応、維新と野党再編の行方をめぐって(その2)

4月19日、来阪した安倍首相は、橋下維新共同代表・松井幹事長の案内で「あべのハルカス」を視察するなど維新との友好関係を久し振りでアピールした。「責任野党・みんな」が渡辺氏の借金問題で使いものにならなくなった現在、目前に控えた集団自衛権の行…

来年4月の統一地方選・大阪府議選での自公選挙協力は、大阪維新の会を壊滅させるほどのインパクトを与えるだろう、維新と野党再編の行方をめぐって(その1)

4月13日の各紙は、来年4月の統一地方選の大阪府議選において、自民・公明両党が選挙協力する方針で一致したことを伝えた。扱いはそれほど大きいものではなく、注意しなければ見落とす程度の記事に過ぎないが、その影響はすこぶる大きいと言わなければな…

これほど度し難い人物がかっていただろうか、慰安婦発言に続く橋下「愛人発言」が示すもの、橋下市長は大阪市民の名誉のためにも直ちに退陣すべきだ、大阪出直し市長選をめぐって(その18)

慰安婦発言のときもそうだったが、こんな下劣(下司)な人物の発言をテーマにブログを書くことなど思いもよらなかった。でもこれが“公人”としての大阪市長の発言だから、大阪市民の名誉を守るためにもその責任を追及しなければならない。無視したり放置した…

日本維新の会と結いの党の合併をどうみる、私党集団の野合か、保守翼賛勢力の総結集=右翼政党の旗揚げか、大阪出直し市長選をめぐって(その17)

渡辺8億円問題で「第3極政党=個人商店=私党」の存在感が一段と希薄化する中、日本維新の会は4月5日、執行役員会で6月22日の今国会会期末までに結いと合併する方針を確認し、その前段階として参院での統一会派を結成することを決定した。この動きを…

“個人商店政党=私党”の破綻と悲劇、大阪維新の会(橋下商店)とみんなの党(渡辺商店)の消長がもたらす野党再編の行方、大阪出直し市長選をめぐって(その16)

大阪出直し市長選が一段落したと思っていたら、今度はみんなの党・渡辺代表の8億円借金問題が俄然クローズアップしてきた。渡辺氏本人は「体調不良」だとか「口がきけない」とかの理由でいまだに雲隠れしているが、そのうち「入院」でもするつもりなのだろ…

大阪出直し市長選失速とみんなの党・渡辺代表8億円借金問題が連動して、「脱維新」政界再編が加速するだろう、大阪出直し市長選をめぐって(その15)

これまでは専ら大阪出直し市長選をフォローしてきたが、今回は少し目を転じて、出直し市長選が政界再編に与える影響について書いてみたい。その切っ掛けは、みんなの党・渡辺代表の「8億円借金問題」がタイミングよく発覚したことだ。日ごろから胡散臭い行…

橋下市長の強気発言、「37万票は歴代市長より多い!」の政治背景を解剖する、橋下氏の本音は維新府議・市議の瓦解を食い止めることにある、大阪出直し市長選をめぐって(その14)

市民の「圧倒的支持」を得て大阪都構想の膠着状態を突破したいとの橋下市長の思惑が市民・有権者に見破られ、出直し市長選は史上最低投票率の23.6%に終わった。それも白票を含む無効票が過去最高の6万7500票に達するとのおまけつきだ。あまりにも…

大阪出直し市長選は“橋下不信任投票”だった、今後は大阪維新の会の“解体・崩壊過程”が本格化するだろう、大阪出直し市長選をめぐって(その13)

今回の出直し市長選の本質を一口で言えば、それは橋下市長の“不信任投票”だったということだろう。橋下氏は「選挙に勝って、民意を失った」のだ。それは何よりも当選した橋下市長が記者会見に現れず、代理の松井知事がたった1人で苦し紛れの会見に応じたこ…

大阪都構想の打開を狙った出直し市長選が大阪都構想を終焉に導く、大阪都構想の「政策」から「政略」への変質によって「維新−大阪都構想=ゼロ」になった、大阪出直し市長選をめぐって(その12)

明日3月23日はいよいよ大阪出直し市長選の投票日だ。地元大阪では「無駄な選挙」、「面白くない選挙」、「大義のない選挙」などの芳しくない世評が広がるなかで、市民・有権者の関心がいっこうに盛り上がらない(むしろ無視・無関心の空気が広がっている…

“究極の民主主義=民意”のハードルは高い、致命的だった橋下市長の誤算、 大阪出直し市長選をめぐって(その11)

3月23日の投票日を目前にしながら、このところ大阪出直し市長選関係のまとまった報道がさっぱり見当たらない。東京の友人からも「大阪のニュースがない」との連絡があったが、これは関西でも基本的に同じことだ。マスメディアが「報道の価値なし」と判断…

大阪出直し市長選は過去最低投票率との戦いになってきた、橋下維新はなす術(すべ)もなく“自滅”するだろう、大阪出直し市長選をめぐって(その10)

大阪出直し市長選の折り返し日、3月16日のラストサンデーに海遊館(港区)近くの沿道端で開かれたタウンミーティングの現場に行ってみた。この日は堺市の泉北ニュータウンで午後から「堺市のまちづくりとニュータウンの再生」に関する講演会があり、そこ…

【再録】大西隆氏が日本学術会議会長に就任した背景、「原子力ムラ」「開発ムラ」「安全保障ムラ」を横断する政治人事(3)

大西隆氏の日本学術会議会長就任の背景に関する拙ブログに対して、現職の学術会議会員から最近重要なコメントが寄せられました。当該ブログは2012年11月の古いものであり、お目に留まることは難しいと思われますので、再録して関係読者の御参考に供し…

「再度民意を問う」といって立候補しながら、「大阪都構想」を掲げない橋下候補の選挙ポスターは市民・有権者を愚弄していないか、橋下維新は正々堂々と有権者の民意を問うべきだ、大阪出直し市長選をめぐって(その9)

都島区、阿倍野区、此花区を観察地域に選んだもうひとつの理由は、いずれの行政区も2011年統一地方選で維新派議員が当選しており、その活動ぶりを地元選挙区で見たかったからだ。維新派議員は、都島区1人(3人区、維新得票率は次点候補も含めて33%…

市民の税金6億円を“ドブ”に捨てるのか、12名用の掲示板に「ポスターたった1枚」の選挙は何を物語るか、大阪出直し市長選をめぐって(その8)

大阪出直し市長選がいよいよスタートした。告示前後の様子を伝える各紙の見出しは、およそ以下のようなものだ。(1)産経新聞 「異例ずくめ 選管ため息、「こんな選挙初めて」、相次ぐ出馬辞退/公選法抵触の判定は・・・」(2014年3月7日) 「大阪市長選 …

橋下維新の凋落ぶりが目立つ、議員も運動員もまるで「やる気」「その気」がないのはどうしてなのか、大阪出直し市長選をめぐって(その7)

今日3月9日は(注目の)大阪出直し市長選の告示日だ。でも、最近はそれらしき記事やテレビニュースにあまりお目にかかれない。3月11日が東日本大震災から3周年に当たるので、各紙ではこの間大型の特集記事が続いており、テレビ番組も同様なので、橋下…

候補者を立てない出直し市長選をどう戦うか、出直し市長選は劇場選挙から「考える選挙」への転換点になる、大阪出直し市長選をめぐって(その6)

ここ数日間、東京で仕事をしていたが、大阪出直し市長選や橋下氏の話題が出ることは一切なかった。新聞各紙も東日本大震災3周年特集記事で紙面が取られているせいか、それらしき記事は皆無だった。僅かに東京新聞の囲み記事(3月4日)で、2015年春の統…

出直し市長選に「反対」しながら、維新以外の政党も候補者を「立てるべきだ」とする大阪市民の“矛盾した世論”をどうみるか、大阪出直し市長選をめぐって(その5)

前回紹介したマスメディアの世論調査結果は、橋下氏が強行した出直し市長選に対して大阪市民の過半数(6割前後)が「反対」であることを明らかにした。なのにその一方、維新以外の政党も「候補者を立てるべきだ」(読売57%、朝日59%、共同通信57%、毎日5…

橋下市長、この際、出直し市長選を断念して辞職しませんか、各紙の世論調査でも大阪出直し市長選「反対」の“民意”は明らかではありませんか、大阪出直し市長選をめぐって(その4)

今朝2014年2月27日のテレビニュースによると、大阪出直し市長選が橋下氏の独り相撲(各紙予想では無投票当選)になるかと思いきや、市選挙管理委員会の説明会にはなんと13もの陣営が出席したのだという。私のブログにも大阪府外の方からかねがね「…